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視神経の再生に新たな可能性DOCK3とHAUS7の連携が軸索再生を促進 (5 ページ)

公開元URL https://www.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/tosei/20250728_06_01
出典情報 視神経の再生に新たな可能性DOCK3とHAUS7の連携が軸索再生を促進(7/22)《東京都》
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図 4 HAUS7 は BDNF による DOCK3 リン酸化によって、DOCK3 から解離する
(a) BDNF 刺激により、DOCK3 の Y562 部位がリン酸化される様子を、自作したリン酸化
特異抗体により細胞内で可視化。BDNF 投与後(右)では、成長円錐領域におけるリン
酸化 DOCK3 のシグナルが顕著に増加している。
(b) BDNF は DOCK3 と HAUS7 の結合を解離させる作用を持つ。BDNF 投与前(中央上
段)では DOCK3 と HAUS7 の複合体(黄色矢頭)が確認されるが、投与後(中央下段)
ではそのシグナルが大きく減少しており、両者の結合が阻害されたことを示している。

HAUS7 の生体内での役割を明らかにするため、研究グループは HAUS7 遺伝子を欠損させた
マウスを作製し、視神経の構造と再生能力を解析しました。電子顕微鏡を用いて視神経軸索を
観察したところ、HAUS7 欠損マウスでは、正常マウスと比較して軸索内の微小管の数が著しく
減少していることが確認されました(図 5a)
。これは、HAUS7 が微小管の形成や維持に関与し
ている可能性を示しています。
さらに、視神経外傷モデルを作製し、軸索再生を促進する遺伝子治療を実施したところ、
HAUS7 欠損マウスでは正常マウスに比べて視神経の再生能力が大きく低下していました(図
5b)
。これらの結果から、HAUS7 は視神経軸索内の微小管の安定化を通じて、視神経の再生に
不可欠な役割を果たしていることが示されました。

図 5 HAUS7 欠損は視神経再生を抑制する
(a) 視神経軸索の断面図(電子顕微鏡画像)
。HAUS7 欠損マウス(右)では、生まれつき正
常マウス(左)に比べて、微小管(赤色矢頭)の数が減少していることが確認された。
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