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視神経の再生に新たな可能性DOCK3とHAUS7の連携が軸索再生を促進 (3 ページ)

公開元URL https://www.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/tosei/20250728_06_01
出典情報 視神経の再生に新たな可能性DOCK3とHAUS7の連携が軸索再生を促進(7/22)《東京都》
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これまでの考えでは、軸索の微小管は伸長方向にまっすぐ伸びるだけで十分だとされてきま
した(図 2b)
。しかし近年の研究により、軸索の先端部に位置する「成長円錐[注 3]
」では、
多数の微小管が分岐しながら動
的に伸長しており、この構造が軸
索の進行方向を精密に制御して
いる可能性が示唆されています。
このような微小管の分岐には、
前述のオーグミン複合体が関与
していると考えられており(図
2a の拡大部分)
、今回新たに同定
された HAUS7 が、その過程にお
いて重要な役割を担っている可
能性があります。研究グループ
は、HAUS7 が DOCK3 と連携し
て軸索の伸長や方向制御に関与
するという仮説のもと、その機能
の解析を進めました。

図2 神経軸索と微小管の伸長
(a) 神経軸索の成長。
神経細胞は、情報伝達のために「軸索」と呼ばれる長い突起を伸ばします。軸索の先端
には成長円錐と呼ばれる構造が存在し、外部からのシグナルに応じて進む方向を変え
たり、複数の標的細胞に向かって分岐したりすることが可能です。こうした軸索の分
岐は、複雑な神経ネットワークの形成や再編成に欠かせない過程で、そこには HAUS7
を含むオーグミン複合体の機能が関与していると考えられています。
(b) 軸索内の微小管構造に関する従来モデル。

軸索の内部には、
「微小管」と呼ばれる線維状の構造が存在し、軸索の構造的支持や成
長方向の誘導に重要な役割を果たします。これまでの研究では、軸索内の微小管は一
方向に直線的に伸びることが、軸索の成長および再生に必要であると考えられてきま
した。
次に、研究グループは HAUS7 が軸索の伸長を制御するメカニズムについて調べました。培
養した神経細胞を用いた実験の結果、DOCK3 が HAUS7 を細胞体から軸索の先端にある成長円
錐まで運ぶ役割を果たしていることが明らかになりました。DOCK3 の発現を shRNA[注 4]
を使って抑制すると、HAUS7 の成長円錐への輸送が減少し、その結果、軸索の伸長も抑えられ
ました(図 3)

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