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【資料2-1】「依存症の親を持つ成人のヤングケアラー経験に関する実態調査」の中間報告と第3期基本計画への政策提案 (7 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59198.html
出典情報 アルコール健康障害対策関係者会議(第34回 6/30)《厚生労働省》
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依存症をもつ親への情緒的なケアの内容
質的分析②:依存症をもつ親のお世話をすることのつらさ:どのような情緒的ケアを行なっていたか?
親の負の感情(怒り、不機嫌)が爆発するのを未然に防ぐためのケア。相手の顔色を常
にうかがい、機嫌を損ねないように先回りして行動する(機嫌を損ねないための行動)。
機嫌の維持と雰囲気の安定化 また、家庭内の険悪なムードを和らげるために、道化を演じて笑わせたり、明るい話題
を提供したりする(雰囲気の平穏化)など。

予防的ケア
受容的ケア

感情の受け皿としての役割

調整的ケア
関係性の仲裁と役割演技

自己犠牲的ケア
自己の感情の抑制

親が抱える不満、怒り、悲しみなどのネガティブな感情の「はけ口」となるケア。ひたす
ら愚痴を聞き(感情の受け皿)、相手の言動を否定せずに受け入れ(肯定と同意)、落ち
込んでいるときには慰める(慰めと励まし)。自身の感情は抑制し、ただ相手の感情を
受け止めることに徹する、感情の受け皿としての役割を担わされている。
家庭内の人間関係、特に夫婦間の対立を調整するためのケア。喧嘩の仲裁に入り(対立
の仲裁)、親の期待する「理想のこども」を演じることで(役割演技)、家族全体のバラン
スを取ろうとする。また、依存対象から気を逸らさせるために、別の楽しいイベントを企
画するなど(依存対象からの関心の転換)、積極的に状況をコントロールしようと試みる
側面も含む。
上記の全てのケアを遂行するために、自分自身の感情や欲求を抑制すること。不安や
恐怖を感じても平静を装い(動揺の隠ぺい)、親の精神的な安定を最優先する(精神的
な支えの提供)。このカテゴリは、他のケアの基盤となっており、ヤングケアラーが自身
の感情を犠牲にすることで、かろうじて家庭の平穏が保たれている構造を示す。

依存症の親を持つ成人のヤングケアラー経験に関する実態調査 ASKヤングケアラー研究チーム, 2025

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