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【資料2-1】「依存症の親を持つ成人のヤングケアラー経験に関する実態調査」の中間報告と第3期基本計画への政策提案 (10 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59198.html |
出典情報 | アルコール健康障害対策関係者会議(第34回 6/30)《厚生労働省》 |
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質的分析①:依存症をもつ親のお世話をすることのつらさ:「つらさ」の分類
背負わされる重すぎる役割
1 (大人の代行役)
押し殺し続ける感情、
2 自己否定・自己犠牲・自己喪失
終わりの見えない恐怖に
3 さらされた生活
経済的な困窮、
4 閉ざされた未来への絶望
「母の愚痴を聞く」「依存症者の気配を察知して対応する」「夫婦喧嘩や家族関係を調整する」
「緊急事態に対応する」「家計を支える」といった、高度な大人役割を強いられている。こどもは
「家族を守らなければならない」という強い責任感に縛られ、「自分がやらなければ家族が崩壊
する」という強迫観念にとらわれていく。
自身の欲求や感情を押し殺して自己犠牲を続けるうちに、自分が「何を望んでいるのか」わか
らない自己喪失の状態に陥り、自身の存在への肯定感を失う。
依存症の親と巻き込まれた親、双方への「愛情」と「怒り・憎しみ」が複雑に交錯し、自身のアイ
デンティティが揺らぐ。何をしてもしなくても、罪悪感や自己否定感におそわれる。
暴力・暴言、夫婦喧嘩、DVの目撃などがある場合、こどもは強い恐怖にさらされる。生存がお
びやかされる家庭環境の中で、「生き延びるため」感情を麻痺させるしかなくなる。
さらに家庭内で起きた出来事について双方の親が語らず、暗に「なかったこと」にされてしま
うことで、こどもは二重に傷つき、記憶の整理ができないままトラウマを抱え込む。
親のギャンブル・浪費・失業などによる借金や生活苦によって、学費のめどが立たず「進学も夢
も諦めるしかない」という現実が、こどもの胸に重くのしかかる。「学資保険が使い込まれた」
といった被害・搾取も起き、努力しても報われない無力感におそわれる。「未来への選択肢が
閉ざされる」経験が繰り返され、絶望感が増幅する。
声をあげられない家庭の秘密、 「普通の家庭」に見せかけなければいけないという圧力があり、「家族の恥になるから」「相談し
てもどうせわかってもらえない」と、助けを求められない状況が常態化する。つらさを誰にも
5 深まる孤立感
打ち明けられないまま、孤立感だけが深まっていく。
結果として、以下の状況に陥ることもある
フラッシュバック・解離性健忘 自己防衛としての逃避行動・のめりこみ・依存 自傷など自己破壊的傾向 燃え尽き、自殺念慮、重いうつ
依存症の親を持つ成人のヤングケアラー経験に関する実態調査 ASKヤングケアラー研究チーム, 2025
10
背負わされる重すぎる役割
1 (大人の代行役)
押し殺し続ける感情、
2 自己否定・自己犠牲・自己喪失
終わりの見えない恐怖に
3 さらされた生活
経済的な困窮、
4 閉ざされた未来への絶望
「母の愚痴を聞く」「依存症者の気配を察知して対応する」「夫婦喧嘩や家族関係を調整する」
「緊急事態に対応する」「家計を支える」といった、高度な大人役割を強いられている。こどもは
「家族を守らなければならない」という強い責任感に縛られ、「自分がやらなければ家族が崩壊
する」という強迫観念にとらわれていく。
自身の欲求や感情を押し殺して自己犠牲を続けるうちに、自分が「何を望んでいるのか」わか
らない自己喪失の状態に陥り、自身の存在への肯定感を失う。
依存症の親と巻き込まれた親、双方への「愛情」と「怒り・憎しみ」が複雑に交錯し、自身のアイ
デンティティが揺らぐ。何をしてもしなくても、罪悪感や自己否定感におそわれる。
暴力・暴言、夫婦喧嘩、DVの目撃などがある場合、こどもは強い恐怖にさらされる。生存がお
びやかされる家庭環境の中で、「生き延びるため」感情を麻痺させるしかなくなる。
さらに家庭内で起きた出来事について双方の親が語らず、暗に「なかったこと」にされてしま
うことで、こどもは二重に傷つき、記憶の整理ができないままトラウマを抱え込む。
親のギャンブル・浪費・失業などによる借金や生活苦によって、学費のめどが立たず「進学も夢
も諦めるしかない」という現実が、こどもの胸に重くのしかかる。「学資保険が使い込まれた」
といった被害・搾取も起き、努力しても報われない無力感におそわれる。「未来への選択肢が
閉ざされる」経験が繰り返され、絶望感が増幅する。
声をあげられない家庭の秘密、 「普通の家庭」に見せかけなければいけないという圧力があり、「家族の恥になるから」「相談し
てもどうせわかってもらえない」と、助けを求められない状況が常態化する。つらさを誰にも
5 深まる孤立感
打ち明けられないまま、孤立感だけが深まっていく。
結果として、以下の状況に陥ることもある
フラッシュバック・解離性健忘 自己防衛としての逃避行動・のめりこみ・依存 自傷など自己破壊的傾向 燃え尽き、自殺念慮、重いうつ
依存症の親を持つ成人のヤングケアラー経験に関する実態調査 ASKヤングケアラー研究チーム, 2025
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