喫緊の課題であり、前述の大学病院の魅力向上に係る取組とも併せて、諸手当等処遇改善
の原資となる安定的な財源を確保することも課題であり、国として引き続きその方策につ
いて検討する。
（課題）

教育・研究・診療それぞれの観点で、幅広く診療科を具備する必要がある中で、

持続可能な病院経営（大学病院における働き方改革の着実な推進を含む。）を実現するこ
とが必要。
（対応方策）

病院長を含む幹部職員（医師だけでなく看護師や事務職員なども含む。）や

その候補者の他、大学本部で法人全体の経営等に関わる幹部職員が病院経営に必要な知識
を身に付けるとともに、実務に当たる事務職員などの計画的な人材養成に努める。また、
大学病院全体の経営状況を俯瞰するとともに、診療科ごとの収支を経年で比較するなど、
管理会計システム等を活用して実態把握・分析を行い、その結果を踏まえ、医療資源の再
編・見直しを推進するなど経営改善の取組を一層強化する。また、幹部職員が大学病院に
おける働き方改革に対して適切に理解し、大学病院の職場環境の向上に向けた取組を行う
とともに、国及び地方自治体は大学病院における取組の支援について必要な対応を行う。
【特定機能病院の見直しについて】
○

特定機能病院の見直しについては、全ての大学病院本院が満たすべき「基礎的基準」を
設定するとともに、個々の大学病院が地域の実情も踏まえて自主的に実施している取組を
「発展的（上乗せ）基準」によって評価する方向で議論が進められている。大学病院では、
地域によっては高難度の外科手術や難治性疾患の治療のように高度な医療のほか、他の病
院と異なり、全ての診療科をそろえた総合的な医療提供体制の確保や地域医療構想とも整
合した地域貢献の機能を担っているものがあることも踏まえ、各役割・機能に関して、以
下の内容に取り組んでいくことが重要である。また、国においても、大学病院の在り方の
検討等を含めた取組については、特定機能病院の見直しや特に以下の観点に留意しながら、
引き続き進めることが重要である。

＜基本的な考え方＞
・

医療提供、教育、研究、地域医療構想とも整合した地域貢献、医療安全に関する取組に
ついては、「大学病院改革プラン」等の各機関の戦略・計画と整合的に推進しつつ、適時
これらの見直しを行っていくことが重要である。

・

病院長等幹部職員が各機能のエフォート管理や、病床数のバランス、人材の確保・配置、
医薬品・材料の調達など多角的な視点から運営改善を図ろうとすることが重要である。

・

財務・経営状況について分析等を行い、自院の経営改善に取り組もうとすることが重要
である。

・

各機能に関連する機関（大学本部、他大学病院、都道府県、自治体、民間企業、医療機
関等）との連携や、地域住民への公開講座等の地域社会への貢献を含め必要な役割を果た
していることが重要である。

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