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医師の働き方改革を目前にした消化器外科医の現状-アンケート結果報告- (9 ページ)

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出典情報 医師の働き方改革を目前にした消化器外科医の現状-アンケート結果報告-(2/25)《日本消化器外科学会》
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と考えている.そして,医師の働き⽅改⾰が⽬前に迫った現状として考慮すべきこととして,
収⼊としては(少なくとも)現状より減らさずに確保してゆくこと,具体的には収⼊源の多
くを依存している兼業(アルバイト)の機会は労働時間の制約の中でも少なくとも確保する
ことが重要と考える.今回のアンケートによれば消化器外科⼿術に対するドクターインセ
ンティブ導⼊の要望が強かった.消化器外科のみならず,他に代替的な治療のない侵襲的な
診療⾏為を⾏う医師に対するドクターインセンティブの導⼊について同様の要望を持つ他
学会とも協働していくことを検討したい.また,われわれが取り組んできた休⽇・深夜・時
間外加算の要件が緩和された緊急⼿術に限ってもインセンティブを導⼊していない施設が
半数以上であり,導⼊している施設であってもその⼤半が報酬額には満⾜していないのが
現状であるため,加算にともなうインセンティブが各医師に⽀給されるようさらに情報を
発信していきたい.また,超過勤務に対する正当な賃⾦が⽀払われていないという回答も多
くみられ,「働き⽅改⾰」導⼊に際し,いわゆるサービス残業が⾏われないよう今後注視し
ていく必要がある.
厚労省の⼤学の附属病院等の医師の研鑽に係る労働時間に関する通知が改正され学会や
研究会に関わる業務が労働時間として算定される以上,学会・研究会そのものの集約化や合
同開催なども対策として必要となってくるであろう.
おわりに
医師の過労死のニュースを⽿にすることがある.当然であるが,消化器外科医を含む医師
のみでなく,あらゆる職種において過労死等は回避しなければならない重要な問題である.
その上で,外科医や消化器外科医の存続や将来を考えると,今回の「医師の働き⽅改⾰」が
担う課題は労働時間にとどまらず多岐に渡り,その改⾰直前に施⾏した本アンケートの結
果は極めて重要であると考えている.
適切な賃⾦の問題も含めた「真の」医師の働き⽅改⾰を達成することで,消化器疾患に病
める患者さんへの診療に誇りをもって取り組める,魅⼒あふれる消化器外科を次世代の若
者たちに勧めることができる.そして何より⾃分⾃⾝がもう⼀度「消化器外科医になりたい」
と⼼からいえる環境を達成することを⽬指して活動に取り組んでいきたい.
謝辞
多忙な業務の中,アンケート調査にご協⼒いただいた会員の皆様に深謝いたします.また
⽇本消化外科学会第 5 代理事⻑ 北川雄光先⽣に感謝申し上げます.
最後に本アンケート調査に際して,選択肢の設定不備や,何らかの理由で正確な(正直な)
回答が困難,また回答⾃体を断念せざるを得ないというご意⾒をいただいた.回答率は
18.6%と過去最⾼であったものの,回答の意志をもってアンケートに向かってくださった会
員はもっと多かったと思われ,該当会員の⽅には深くお詫びを申し上げます.ご指摘を真摯
に受け⽌め,今後のアンケートを施⾏する際は,様々な環境の先⽣⽅が回答しやすい設問に
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