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医師の働き方改革を目前にした消化器外科医の現状-アンケート結果報告- (1 ページ)
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出典情報 | 医師の働き方改革を目前にした消化器外科医の現状-アンケート結果報告-(2/25)《日本消化器外科学会》 |
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※⽇本消化器外科学会雑誌 57 巻 3 号掲載予定記事の先⾏公開
2023 年度⽇本消化器外科学会ワーク・イン・ライフ委員会(働き⽅改⾰ WG)
医師の働き⽅改⾰を⽬前にした消化器外科医の現状
―アンケート結果報告―
1)⽇本消化器外科学会ワーク・イン・ライフ委員会
2)⽇本消化器外科学会理事⻑
新原正⼤1),⽐企直樹1),鷲尾真理愛1),⿊⽥慎太郎1),今村⼀歩1),滝⼝光⼀1),
⼤段秀樹1),江⼝晋1),市川⼤輔1),調憲2)
⽇本消化器外科学会ワーク・イン・ライフ委員会では「働き⽅改⾰」導⼊直前の消化器外
科医の労働環境の状況や改善への取り組み,会員の意識を明らかにする⽬的で会員を対象
にアンケートを⾏い,2,932 名(18.6%)より回答を得た.その結果,労働環境の改善に向け
た取り組みはみられるものの労働時間等の改善は⼗分とは⾔えない結果であった.それに
も関わらず会員の要望で最も多かったのは賃⾦の改善であった.兼業が収⼊の 30%以上を
占めるものが 62%で,⼿術技術料としてのインセンディブの導⼊を望む回答が多かった.
休⽇・深夜・時間外加算1の導⼊は 65%まで浸透してきているが,インセンティブの導⼊
は全体の 28%であった.
後輩や⼦供に積極的に消化器外科を勧める会員は 38.2%, 14.5%と少数で,
「どちらでもな
い」という回答が最も多かった.⾃⾝が再度消化器外科医を選択するという回答は半数を超
えているのに次世代の医師に勧める回答は少数に留まった.このことは⾃⾝の仕事に意義
は感じているものの,現状の消化器外科医を取り巻く環境をそのままに次世代に引き継ぐ
ことに疑問やためらいを感じる会員が多くいることを⽰唆しているのではないだろうか.
本学会としては消化器外科離れに⻭⽌めをかけるべく,会員を取り巻く労働環境の改善
に資する活動に取り組み,社会に向けて情報を発信していきたいと考える.
はじめに
「働き⽅改⾰を推進するための関係法律の整備に関する法律」
(通称「働き⽅改⾰関連法」)
は 2018 年 6 ⽉ 29 ⽇に可決成⽴し,7 ⽉ 6 ⽇に公布された.そして,2019 年 4 ⽉より適宜
適⽤が開始されているが,医師を含め限られた職域のみに 5 年間の猶予期間が与えられて
いた.そして,その猶予期間も終了し 2024 年 4 ⽉から,いよいよ「医師の働き⽅改⾰」の
新制度が施⾏される.
厚⽣労働省(以下,厚労省)の報告では医師数は 339,623 名(2020 年 12 ⽉ 31 ⽇現在)
となっている.この医師数は年々増加しており 2000 年 255,792 名,2010 年 286,699 名で
あり,ここ 10 年間で約 53,000 名,20 年間で約 84,000 名増加していることになる.⼀⽅
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2023 年度⽇本消化器外科学会ワーク・イン・ライフ委員会(働き⽅改⾰ WG)
医師の働き⽅改⾰を⽬前にした消化器外科医の現状
―アンケート結果報告―
1)⽇本消化器外科学会ワーク・イン・ライフ委員会
2)⽇本消化器外科学会理事⻑
新原正⼤1),⽐企直樹1),鷲尾真理愛1),⿊⽥慎太郎1),今村⼀歩1),滝⼝光⼀1),
⼤段秀樹1),江⼝晋1),市川⼤輔1),調憲2)
⽇本消化器外科学会ワーク・イン・ライフ委員会では「働き⽅改⾰」導⼊直前の消化器外
科医の労働環境の状況や改善への取り組み,会員の意識を明らかにする⽬的で会員を対象
にアンケートを⾏い,2,932 名(18.6%)より回答を得た.その結果,労働環境の改善に向け
た取り組みはみられるものの労働時間等の改善は⼗分とは⾔えない結果であった.それに
も関わらず会員の要望で最も多かったのは賃⾦の改善であった.兼業が収⼊の 30%以上を
占めるものが 62%で,⼿術技術料としてのインセンディブの導⼊を望む回答が多かった.
休⽇・深夜・時間外加算1の導⼊は 65%まで浸透してきているが,インセンティブの導⼊
は全体の 28%であった.
後輩や⼦供に積極的に消化器外科を勧める会員は 38.2%, 14.5%と少数で,
「どちらでもな
い」という回答が最も多かった.⾃⾝が再度消化器外科医を選択するという回答は半数を超
えているのに次世代の医師に勧める回答は少数に留まった.このことは⾃⾝の仕事に意義
は感じているものの,現状の消化器外科医を取り巻く環境をそのままに次世代に引き継ぐ
ことに疑問やためらいを感じる会員が多くいることを⽰唆しているのではないだろうか.
本学会としては消化器外科離れに⻭⽌めをかけるべく,会員を取り巻く労働環境の改善
に資する活動に取り組み,社会に向けて情報を発信していきたいと考える.
はじめに
「働き⽅改⾰を推進するための関係法律の整備に関する法律」
(通称「働き⽅改⾰関連法」)
は 2018 年 6 ⽉ 29 ⽇に可決成⽴し,7 ⽉ 6 ⽇に公布された.そして,2019 年 4 ⽉より適宜
適⽤が開始されているが,医師を含め限られた職域のみに 5 年間の猶予期間が与えられて
いた.そして,その猶予期間も終了し 2024 年 4 ⽉から,いよいよ「医師の働き⽅改⾰」の
新制度が施⾏される.
厚⽣労働省(以下,厚労省)の報告では医師数は 339,623 名(2020 年 12 ⽉ 31 ⽇現在)
となっている.この医師数は年々増加しており 2000 年 255,792 名,2010 年 286,699 名で
あり,ここ 10 年間で約 53,000 名,20 年間で約 84,000 名増加していることになる.⼀⽅
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