よむ、つかう、まなぶ。
資料2 矢田構成員提出資料 (4 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_57904.html |
出典情報 | 有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会(第3回 5/19)《厚生労働省》 |
ページ画像
ダウンロードした画像を利用する際は「出典情報」を明記してください。
低解像度画像をダウンロード
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
1⃣契約を締結するか否かを意思決定するために必要な情報を提供する義務
2⃣契約目的となっている利益を実現するための情報や生命身体や所有権等の財産的
利益一般を保護するために必要な情報提供義務
・民法:詐欺、錯誤(95・96 条)に基づく契約取消し、不法行為に基づく損害賠
償請求(※民法は、基本的に取引の当事者が対等な立場にあることが前提)
・消費者法 3 条(※努力義務)
1⃣契約締結、2⃣定型約款の内容開示請求権、3⃣解除権行使に関する情報提供義務
※透明性の原則:契約内容が明確かつ平易なものとなるように配慮する義務
❷適合性の原則:消費者の知識、経験及び財産の状況、契約目的などに適合した
形で勧誘しなければならないというルール(※多くは業法)
❸消費者契約法 4 条(【誤認類型】不実告知、断定的判断の提供、不利益事実不告知、
このほか【困惑類型】あおり・つけこみ型等、
【心理的負担創出型】
等)→効果は取消権(追認可能時から 1 年、契約締結時から 5 年)
(2)契約締結前
指針による有料老人ホームにおける重要事項説明義務
(※老人福祉法 29⑦の情報開示義務、老人福祉法施行規則 20 条の7書面交付)
(3)契約内容規制
①民法:公助良俗違反(90 条)、強行規定違反(91 条)
原則は、契約自由の原則(契約に関する規定は任意規定 ※借地借家法)
定型約款の内容規制(548 条の2②)
②消費者契約法:損害賠償責任を制限する条項、解除権放棄条項、解除権付与条項、損
害賠償額の予定、違約金条項、消費者の利益を一方的に害する条項
(8~10 条)→効果は無効
(4)権利行使
①契約の履行請求
②契約の拘束力の否定(無効、取消し、解除)
※老人福祉法 21 条 クーリングオフ(短期解約特例 3 か月ルール)
③損害賠償の請求(契約責任、不法行為責任)
→民法が効果を発揮できるのは、契約締結後の事後救済(例:入居一時金返還、原状回復)
消費者契約法は広告・表示規制、勧誘規制、さらに内容規制もあり、民法よりは消費者
である入居者保護に資するものの、制裁的な意義は十分とはいえず、実効性で限界あり。
第4
有料老人ホーム契約の契約構造から生じる主な法的課題
(1)住宅型有料老人ホームの裁判例の紹介-福岡高裁宮崎支部令 3 年 4 月 21 判決(判例時報
2526 号 39 頁)を素材として
①事案の概要等
❶本件は、Y1(被告、被控訴人)が開設し、運営する住宅型有料老人ホーム(以下、本件施
設)に入居し、本件施設の一部を貸借して訪問介護事業所を開設するY2から訪問介護
サービスの提供を受けていた亡 B(89 歳)が、本件施設 2 階の居室(本件居室)の腰
高窓から転落して胸椎破裂骨折、後頭部挫創等の障害を負い、その後死亡した事故につ
いて、亡 B の相続人である亡 A 及び X ら(原告、控訴人)は、認知症であった亡 B が
本件居室の窓から転落する危険性は予見でき、当該窓に備え付けられたストッパーを
4
2⃣契約目的となっている利益を実現するための情報や生命身体や所有権等の財産的
利益一般を保護するために必要な情報提供義務
・民法:詐欺、錯誤(95・96 条)に基づく契約取消し、不法行為に基づく損害賠
償請求(※民法は、基本的に取引の当事者が対等な立場にあることが前提)
・消費者法 3 条(※努力義務)
1⃣契約締結、2⃣定型約款の内容開示請求権、3⃣解除権行使に関する情報提供義務
※透明性の原則:契約内容が明確かつ平易なものとなるように配慮する義務
❷適合性の原則:消費者の知識、経験及び財産の状況、契約目的などに適合した
形で勧誘しなければならないというルール(※多くは業法)
❸消費者契約法 4 条(【誤認類型】不実告知、断定的判断の提供、不利益事実不告知、
このほか【困惑類型】あおり・つけこみ型等、
【心理的負担創出型】
等)→効果は取消権(追認可能時から 1 年、契約締結時から 5 年)
(2)契約締結前
指針による有料老人ホームにおける重要事項説明義務
(※老人福祉法 29⑦の情報開示義務、老人福祉法施行規則 20 条の7書面交付)
(3)契約内容規制
①民法:公助良俗違反(90 条)、強行規定違反(91 条)
原則は、契約自由の原則(契約に関する規定は任意規定 ※借地借家法)
定型約款の内容規制(548 条の2②)
②消費者契約法:損害賠償責任を制限する条項、解除権放棄条項、解除権付与条項、損
害賠償額の予定、違約金条項、消費者の利益を一方的に害する条項
(8~10 条)→効果は無効
(4)権利行使
①契約の履行請求
②契約の拘束力の否定(無効、取消し、解除)
※老人福祉法 21 条 クーリングオフ(短期解約特例 3 か月ルール)
③損害賠償の請求(契約責任、不法行為責任)
→民法が効果を発揮できるのは、契約締結後の事後救済(例:入居一時金返還、原状回復)
消費者契約法は広告・表示規制、勧誘規制、さらに内容規制もあり、民法よりは消費者
である入居者保護に資するものの、制裁的な意義は十分とはいえず、実効性で限界あり。
第4
有料老人ホーム契約の契約構造から生じる主な法的課題
(1)住宅型有料老人ホームの裁判例の紹介-福岡高裁宮崎支部令 3 年 4 月 21 判決(判例時報
2526 号 39 頁)を素材として
①事案の概要等
❶本件は、Y1(被告、被控訴人)が開設し、運営する住宅型有料老人ホーム(以下、本件施
設)に入居し、本件施設の一部を貸借して訪問介護事業所を開設するY2から訪問介護
サービスの提供を受けていた亡 B(89 歳)が、本件施設 2 階の居室(本件居室)の腰
高窓から転落して胸椎破裂骨折、後頭部挫創等の障害を負い、その後死亡した事故につ
いて、亡 B の相続人である亡 A 及び X ら(原告、控訴人)は、認知症であった亡 B が
本件居室の窓から転落する危険性は予見でき、当該窓に備え付けられたストッパーを
4