２．特定行為に係る看護師の研修制度について
（１）指定研修機関及び研修修了者の現状と制度の推進について
進展する少子高齢化に伴い、今後も国民に適切な医療を提供するためには、特
定行為研修修了者の活躍が期待されている。
【PⅠ看 8】
特定行為研修を行う指定研修機関は、令和５年８月時点で 47 都道府県に 373
箇所が厚生労働大臣により指定されており、特定行為研修修了者は令和５年９月
末時点で 8,820 人となっている。
【PⅠ看 8】
令和６年４月より医師への時間外労働の上限規制が適用されるにあたり、特定
行為研修修了者の養成と確保の一層の推進が求められており、引き続き指定研修
機関の設置や特定行為研修修了者の活動を支援する体制の整備等を図ることが重
要であると考えている。
令和６年度診療報酬改定において、機能強化型訪問看護ステーション（機能強化
型訪問看護管理療養費１を算定）において、特定行為研修修了者や専門の研修を受
けた看護師の配置が必須となった。管下の訪問看護ステーションにおいて特定行
為研修修了者等の配置が進むよう、在宅領域に就業する看護師が受講しやすい取
組を行うなどのご支援をお願いしたい。
（２）令和６年度予算案における主な特定行為研修制度関連事業について
厚生労働省では、指定研修機関の設置準備や運営に必要な経費に対する支援等
に必要経費等を補助している。
【PⅠ看 11】
令和５年補正予算において、地域支援型の指定研修機関推進事業として、訪問看
護師等が働きながらそれぞれの生活圏で特定行為研修を受講でき、受講期間中の
地域の訪問看護サービス提供体制の確保を支援する指定研修機関を整備するため
の必要経費等を補助する。また、地域標準手順書普及等事業として、特定行為研修
制度の普及と診療所等の医師が手順書を活用できるよう取り組む郡市区医師会等
に補助する。さらに、医療の効率化に向けた領域別タスクシフト推進事業として、
外科・救急・麻酔科等の各領域における医師向けの活用ガイドを作成・周知し、領
域別のタスク・シフト/シェアの推進等を行う取組等に必要な経費等を補助する。
管下の指定研修機関等の医療機関に対し、各事業の周知及び参加への働きかけ等
についてご支援をお願いしたい。
【PⅠ看 12】
令和６年度予算案においては、特定行為研修の組織定着化支援事業として、特
定行為研修の受講機会の拡充と研修修了者の活動を推進する取組を組織的かつ継
続的に取り組む医療機関である指定研修機関等に対して、その取組を促進するた
めの経費を計上している。特に令和５年度の事業に都道府県内の指定研修機関が
参加していない場合は、管下の指定研修機関に対し、周知及び参加の働きかけ等
についてご支援をお願いいしたい。
【PⅠ看 13】

Ⅰ-看6