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05 参考資料1 おたふくかぜワクチンに関するファクトシート (7 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37506.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第23回 1/24)《厚生労働省
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重症者数、死亡者数
おたふくかぜ患者が重症化、あるいは死に至ることはまれとされている
が 8)、全国約 20,000 の内科、泌尿器科、皮膚泌尿器科、皮膚科、小児科、産
科・産婦人科、耳鼻咽喉科を対象としたアンケート調査によると、2004 年 1
年間に、回収率 40.9%の時点で 1,624 人の入院例が報告された 13)。
合併症併発した入院例はおたふくかぜ年齢別罹患率と一致して 5 歳をピ
ークとしていた。診療科は 4 分の 3 を小児科が占めたが、次いで多かったの
が泌尿器科で、内科、耳鼻咽喉科、産婦人科が続いた。合併症として最も多
く報告されたのは髄膜炎で、次いで睾丸炎、熱性痙攣、難聴・内耳炎・内耳
障害、経口摂取不良・脱水、膵炎、副睾丸炎、喉頭浮腫・呼吸困難、髄膜脳
炎、脊髄炎等の重症の合併症例が報告された。同時におたふくかぜワクチン
による副反応で入院加療した症例も調査したが、報告数は 2004 年 1 年間に、
回収率 40.9 %の時点で 9 人であった 13)。
2005 年も同じ医療機関に対して、同様の全国調査を実施したが、回収率
37.3 %の時点で、4 歳をピークとして 2,069 人のおたふくかぜに関連した入
院例が報告された。回収割合から全国でおよそ 5,000 の入院例があったと推
察された。合併症の種類は、第 1 位が髄膜炎、2 位が睾丸炎、3 位熱性痙攣、
4 位 難聴・内耳炎・内耳障害、5 位 膵炎であった。入院理由は、2004 年と
2005 年どちらも合併症併発が最も多かった。2 年間の調査で死亡例は報告さ
れなかった 13)。

2.予防接種の目的と導入により期待される効果
(1)感染症対策としての観点
本疾病は 5 類感染症定点把握疾患に定められている。飛沫による気道感染
のためヒト-ヒト間の伝搬力は比較的強く(基本再生産数 11~14)、容易に家族
内感染、施設内感染を起こす。発症者の多くが特異的な治療を施さなくても
自然に治癒軽快することもあり、深刻な健康被害を被った症例の存在が一般
に認知されていない。しかしながら、ムンプス脳炎やムンプス難聴などの重
篤な合併症がまれならず存在する。ヒト以外にムンプスウイルスの自然宿主
が存在せず、生ワクチンによる感染防御効果が高い感染症である。おたふく
かぜワクチンは積極的に使用すべきとするのが世界の趨勢であり、WHO はお
たふくかぜを撲滅可能な疾病としてリストしている 14,15)。ところが、わが国
のワクチン接種率は 30%程度であり、およそ4年に一度の全国規模の流行を
今も繰り返している。
(2)公共経済学的な観点
本疾病は学校保健安全法で第二種の感染症に属し、耳下腺腫脹が消失する
まで学校への出席を停止とすることが定められている。なお、近年米国では
唾液に含まれ不ウイルス量の検討から、学校への出席停止期間を腫脹 5 日後
までとしている。そのため病気による経済的損失として治療費の他に、家族
が看病等で仕事を休まざるを得ない事態も考慮しなければならない。弱毒生

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