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05 参考資料1 おたふくかぜワクチンに関するファクトシート (3 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37506.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第23回 1/24)《厚生労働省
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1.対象疾患の基本的知見
(1)対象疾患の特性
① 臨床症状等
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎、ムンプス)はムンプスウイルスによる感
染症である。基本的な感染経路は唾液を介した飛沫によるヒト-ヒト間の感
染である。耳下腺腫脹の 6 日前~9 日後までの間に唾液中へのウイルスの排
泄があり、感染源となる。尿中にもウイルスは排泄されるので、感染源と
なりうる 1)。感染から発症までの潜伏期間は 12~24 日、ピークは 17~18 日で
ある。ウイルスは上気道粘膜や頸部の局所リンパ節で増殖後、一次ウイル
ス血症を経て唾液腺、髄膜、膵臓、睾丸、卵巣、甲状腺、腎臓、中枢神経
組織などに到達し、そこで増殖して全身的な二次感染を起こし、臨床症状
や合併症をひきおこす(表 1)。
主に発熱と耳下腺の腫脹と疼痚をもって発症するのでおたふくかぜ、流
行性耳下腺炎と呼ばれている。耳下腺腫脹は発症後 1~3 日でピークとなり、
その後 3~7 日かけて消退する(図 1)。腫脹部位に疼痚があり、唾液分泌によ
り疼痚が増強する。発熱は1~6 日間続く。頭痚、倦怠感、食欲低下、筋肉
痚、頚部痚を伴う事がある 2)。
思春期以降になって初めてムンプスウイルスに感染すると睾丸炎
(20~40%)や卵巣炎 (5%)の合併頻度が高くなる。睾丸炎を合併した患者には
様々な程度の睾丸萎縮を伴い、精子数は減尐するが、不妊症の原因となるの
はまれである。合併症としての無菌性髄膜炎(1~10%)は一般に予後良好であ
るが、ムンプス脳炎(0.3~0.02%)やムンプス難聴 (0.5~0.01%)の場合は予後不
良である 2)。ムンプス難聴は片側性の場合が多いが、時に両側難聴となり、
人工内耳埋込術等が必要となる場合もある。ムンプス難聴の発生頻度は従来
ムンプス脳炎と同程度とされていたが、それよりも高く数百人に 1 人の割合
表 1 自然感染の症状とワクチンの合併症 3)
図 1 おたふくかぜの臨床症状
臨床症状
腺組織
耳下腺腫脹
顎下腺腫脹
睾丸炎
卵巣炎
膵炎

耳下腺

舌下腺
体温
40

顎下腺

耳下腺の腫れ

ワクチン(%)

60~70
10
20~40
5
4

3
0.5
ほとんどなし
ほとんどなし
ほとんどなし

神経組織
髄液細胞増多症
無菌性髄膜炎
ムンプス脳炎
ムンプス難聴

50
1~10
0.02~0.3
0.01~0.5

不明
0.1~0.01
0.0004
不明

その他
腎機能低下
心電図異常

30
5~15

不明
不明

無菌性髄膜炎
まれに

耳下腺の痛み

ムンプス脳炎
ムンプス難聴

39
38

自然感染(%)

潜伏期

37
36
0

5

10

15

20

頭痛、食欲低下、
倦怠感、筋肉痛、
頸部痛

25
思春期以降
睾丸炎、卵巣炎
乳腺炎

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