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05 参考資料1 おたふくかぜワクチンに関するファクトシート (10 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37506.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第23回 1/24)《厚生労働省
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ばれている。一方、旧ソ連邦では 1974 年に Smorodintrev らによって
Leningrad-3 株が開発されている。クロアチア及び旧ユーゴスラビアでは
Leningrad-3 株から派生した L-Zagreb 株が 1976 年以降用いられている。これ
らの株は、おたふくかぜ患者から分離した株をニワトリあるいはウズラ初代
胚細胞に継代して作られたものである。この他に、スイスではヒト二倍体細
胞で分離後、ニワトリ初代胚細胞で継代し、再びヒト二倍体細胞に馴化した
Rubini 株が 1985 年以降用いられた。また、1991 年、イランではおたふくか
ぜ患者からアフリカミドリザルの腎細胞で分離した株をヒト二倍体細胞に
馴化した S-12 株が開発されている 14,15)。


わが国のおたふくかぜワクチン開発の歴史
わが国では 1972 年にムンプスワクチン研究会が発足し、いくつかの試作
ワクチンが検討された 19)。ヒト胎児腎細胞を用いて患者より分離後、アフ
リカミドリザル腎細胞で継代し、さらに発育鶏卵羊膜腔(Am)を経てニワト
リ胚細胞に馴化させたのが Urabe-AM9 株(表 5)である。発育鶏卵羊膜腔で分
離後、牛腎細胞に継代し、ニワトリ胚細胞に馴化させたのが Torii 株 20)、
発育鶏卵羊膜腔で分離後、低温のニワトリ胚細胞に馴化させたのが
Hoshino-L32 株 21)、アフリカミドリザル腎細胞を用いて分離後、ニワトリ胚
細胞に馴化させたのが Miyahara 株 22)、アフリカミドリザル腎細胞を用いて
分離し、ニワトリ胚細胞とカニクイザル腎細胞で継代後、再びニワトリ胚
細胞に馴化させたのが NK-M46 株である 23)。



わが国における新規おたふくかぜワクチン開発の動きについて
1993 年に国産 MMR ワクチンの定期接種が中止されて以降,新規おたふく
かぜワクチン開発の試みもある。微研会は Urabe-AM9 株から新たにウイル
スクローニングを行い、承認申請段階から再スタートする動きを見せてい
る。また、千葉県血清研究所(以下、千葉血)では新たに野外分離株から温
度感受性を指標に弱毒株 Y125 株を作出し、動物実験レベルでは有望な結果
を得ている 24)。

(2)おたふくかぜワクチンの特性
① 諸外国のワクチンの有効性
既に世界 72 ヶ国に供給され、4 億ドース以上の接種実績をもっている
Jeryl-Lynn 株を単味ワクチン一回接種した場合に有意な抗体上昇が期待で
きる割合(抗体陽転率)は、80~100%、一方、MMR ワクチンとして接種した
場合の抗体陽転率の平均値は、単味ワクチン接種より若干低下し 73%にな
ると報告されている。二回接種にした場合には平均抗体陽転率は、86%に上
昇する。おたふくかぜワクチン接種後に、おたふくかぜを発生した患者(ワ
クチン不全:VF)の調査より、ワクチン接種による防御効果は 75~91%と見
積もられている 14,18)。
ロシアで用いられている Leningrad-3 株の抗体陽転率は、89~98%であり、
ワクチンの有効性は 92~99%と見積もられている。クロアチア、スロベニア、
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