よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


介護保険最新情報vol.1164(令和5年7月豪雨に伴う避難所等における心身機能の低下の予防及び認知症高齢者等に対する適切な支援について)[4.0MB] (7 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/index_00010.html
出典情報 令和5年7月豪雨に伴う避難所等における心身機能の低下の予防及び認知症高齢者等に対する適切な支援について(8/1付 事務連絡)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

はじめに:
地震等の災害を契機として生じる廃用症候群(以下、

「生活不活発病」

という) とそれによる生活機能低下への対

応の重要性が強調されている (内閣府: 中山間地等の集落散在地域における地域防災対策に関する検討会提言等) 。
その背景としては次の2点がある。


災害時における疾患・外傷の予防・治療・管理の重要性は広く認識され、適切な対応への努力
が払われている。 これに対して 「生活機能」 への認識と対応は、 不十分であった。



高齢者が増加している現在、 災害時における介護予防 (生活機能低下予防) の具体化が急務。

生活不活発病は生活機能低下の重要な原因であり、その予防・改善が介護保険制度改革における介護予防重視
の流れのなかでますます重要視されるようになっている。
本項では災害時における生活機能全般、 特に生活不活発病の早期発見・早期対応の手助けとして、基本的な考
え方を表1、具体的対策を表2にまとめた。その中のポイントをそれ以降に詳しく述べていくのでご活用頂きたい。

表1

災害時の生活機能※ 低下予防の基本的考え方
ポイントは「生活不活発病」







災害時には生活不活発病が多発

⇒ 生活機能全体が低下

災害直後だけでなく、中・長期にわたり進行(「生活機能低下の悪循環」)


原因は 「生活の不活発化」 −

生活が不活発なら必発

・病気・外傷と関係なしに「環境因子」の変化だけでも生じる
・ 「心身機能」よりも「活動」(生活行為)や「参加」の低下が先に顕在化
・ 「不活発」とは運動量の減少だけでなく、以下の全て
(1)生活行為(「活動」)の「質」的低下:生活行為が困難になるなど
(2)生活行為(「活動」)の「量」的低下:外出の回数・距離の減少など
(3)家庭内・地域社会での役割(「参加」)低下:物的・人的環境の変化が影響


ハイリスク者:一見元気な高齢者でも注意
(1)病人・障害者・要介護者
(2) 生活行為(「活動」)の低下がある人
(3)一応自立していても「環境限定型自立」の人:
例: 「近くしか歩いていない」

「壁や家具の伝い歩き」など

(4)生活が不活発な人:地震後家事など家庭内での役割が低下、外出が少ない、など


対策の基本は「生活の活発化」 −

「活発な生き生きとした生活」 で自然に生活を活発化

(1)生活行為(「活動」)の向上: 「質」と「量」
・活動自立訓練、よくする介護
(不適切 ・ 過剰な介護サービスや車いすの使用などは生活不活発病を加速)
(2) 家庭・地域での役割(「参加」)の向上

1