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【参考資料3】免疫アレルギー疾患研究10か年戦略 (11 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34044.html
出典情報 アレルギー疾患対策推進協議会(第17回 7/12)《厚生労働省》
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4 戦略2: 社会の構築 (免疫アレルギー研究の効果的な推進と社会の構築に関する横断研究)
戦略2:社会の構築に係る研究を進める上で、次の目標を設定する。
目標2: 国民一人一人の貢献を重要視し、国内外の産学官民のあらゆる力を結集して国際的な研
究開発を進められる仕組み作りを行い、かつ患者を含む国民が参画する研究成果の社会への効
果的な還元を目指す。

(1)患者・市民参画による双方向性の免疫アレルギー研究の推進に関する研究
免疫アレルギー疾患の多くは、慢性疾患であり、長期的な疾患管理が必要となる。この疾患管理を、
十分に行うためには、患者の視点を反映させた診療ガイドラインや教育資材の策定が必要である。ま
た、免疫アレルギー疾患の管理・治療には環境要因への配慮は重要であり、薬物療法等と並行して、
衣食住を含む生活上の管理、及び社会的な理解と対策が必要である。
患者・市民の臨床試験等への参画については、人権保護や研究の質の向上といった観点から、患
者・市民の意見を取り入れながら、試験デザインを構築していくことが求められる時代になってきた。実
際に、イギリスでは、2000 年代以降、試験のデザイン、実施や報告に患者・市民が参加できるよう制度
が整えられ、特定の疾患に限らず、様々な疾患を網羅する団体の参画及び育成の重要性が明らかと
なっている。このように、我が国においても、患者・市民が臨床試験等に主体的に参画する上で何が
必要なのか、検討を行う必要がある。その上で、疾患の経過、治療効果に関する患者の全国調査や
臨床検体の収集を行い、介入を伴う臨床試験等のデザイン、実施、報告書作成に対して、患者・市民
の参加を進める必要がある。こうした経験を通じて、患者・市民の理解が深まり、より双方向性の研究
推進が可能となり、その結果として、社会が医療を育てることに繋がるものと考えられる。
また、食品関連をはじめとする多くの企業が、免疫アレルギーへの理解を深めて多くの商品開発や
サービスの提供を行っており、その活動の多くは、正しい知識や標準的な治療への理解に基づいた
有益なものであるが、一部に不適切な情報を流して、誤った対応策を勧める団体も存在するため、国
民からは情報の正しさを判断しにくい状況がある。こうした状況を改善するためにも、行政、学会、研
究組織と患者・市民、あるいは食品・生活産業等が連携して、正しい情報の発信に努める必要がある。
こうした取組を通じ、介入を伴う臨床試験等が、患者・市民の目線も含めた多様な視点で円滑に遂
行されるシステムの確立とともに、適切な情報がより迅速に個々の患者・市民に伝わる情報網の構築
が必要である。

(2) 免疫アレルギー研究におけるアンメットメディカルニーズ等の調査研究開発
免疫アレルギー領域の代表的な疾患の一つであるスギ花粉症に関する我が国における調査では、
抗ヒスタミン薬に対する患者満足度がわずか 35%であり、その効果や眠気に対して不満であるといっ
たアンメットメディカルニーズ(未だに解決されていない医療に求められるニーズ)がすでに明らかとな

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