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資料3-2 鈴木先生提出資料 (102 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00333.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(第73回 2/24)《厚生労働省》
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季節性インフルエンザと新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の疾病負荷を比較する
試みに際しての留意点
用語の定義について
受診し診断された症例における死亡リスク(case fatality risk)と、医療機関を受診しない集団や無症候病原体保有者を含めた感染者全体にお
ける死亡リスク(infection fatality risk)を明確に区別する必要がある。
サーベイランスの違い
季節性インフルエンザは定点把握疾患である。診断は多くの場合、抗原定性検査で行われる。毎年の総受診者数は推定値であり、実際の感
染者数は血清疫学調査等から推定する必要がある。これに対して、 COVID-19は全数把握疾患である。市民の関心が高く、有症状者は季節
性インフルエンザよりも積極的に受診すると考えられる。診断はPCR、抗原定量検査、抗原定性検査等で行われている。実際の感染者数は
報告数の数倍以上であると推定され、血清疫学調査等から推定する必要がある。
死亡アウトカムの違い
死亡届に基づく集計では、季節性インフルエンザの死亡数を過小評価することが知られている。このため従来、インフルエンザ関連死亡
(インフルエンザあるいは肺炎による死亡)の超過死亡数が疾病負荷を測る指標として用いられてきた。ただし、これは例年のインフルエ
ンザ関連死亡数よりも多い数を表すものであり、インフルエンザに起因する死亡数の代替指標とはならない。COVID-19については、COVID19患者が死亡した場合には報告が求められる点が季節性インフルエンザと異なる。一方、病態の違いや季節性の違いなどを踏まえて、
COVID-19流行後に観察されるインフルエンザ関連死亡の超過死亡数が適切にCOVID-19関連死亡を反映するかどうかについては十分に検討さ
れていない。特にCOVID-19流行後にインフルエンザの流行レベルが大きく低下したこと、他の感染症の流行動態にも変化がみられることに
ついて考慮する必要がある。
治療、対策の違い
季節性インフルエンザは毎年の流行とワクチン接種により、集団の多くが免疫を獲得している。一方、COVID-19は流行が始まって2年であ
り、必ずしも全員が免疫を獲得してはいない。また、流行時の公衆衛生的介入の強さや治療薬の効果が両疾患で異なることが、それぞれの
重症化リスク、死亡リスクの推定値に影響する。

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