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○パブリックコメント、公聴会の報告について-2-2 (6 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00138.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 総会(第515回  2/2)《厚生労働省》
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まえ、国の方向性である地域医療構想の推進に向けて丁寧な御議論を期待させていただき
たい。患者の経済的負担を抑え、安心して医療を受けることができる環境整備につながる
診療報酬の改定であっていただくことをお願いしたい。
意見発表者⑥(小林弘祐・内科系学会社会保険連合理事長)

米国の公的保険の基となる相対評価尺度、RBRVS(アメリカのメディケアで用いられてい
る医師の技術料の評価システム)では、医師の負荷(ワークロード)が約50%評価されて
おり、診療報酬評価に関する外保連試案でも手術時間と医師の経験年数による負荷を算定
の根拠にしている。しかし、現在の日本の診療報酬体系では、内科系医師の技術評価はあ
るが、負荷(ワークロード)は評価されていない。内保連では内科系医師の負荷の評価を
2015年から継続して行い、広範なデータを集めて統計学者とともに分析し、2020年12月に
グリーンブックとして公表した。

まず、分析にあたり、DPCデータを収集し、内科系約1,800分類を対象に1,629人の主治医
から回答を得た患者1万1395人のエピソードについて負荷度評価を行い、これにより約3
分の1の内科系診療をカバーした。次に、19領域249人からなるエキスパートパネルで負荷
度ランクを決め、これにより合わせて約3分の2の内科系診療をカバーした。最後に、主
治医調査を「教師データ」として、負荷度ランクを推定する機械学習モデルを構築し、こ
の機械学習モデルを活用して内科系診療全体をカバーした。この負荷度評価の診療報酬へ
の応用として重症度、医療・看護必要度への適用を提案している。

現行の重症度、医療・看護必要度の問題点として、内科系医師から見た重症度や負荷の
視点が十分には評価されていない点や、現行の重症度、医療・看護必要度はAからC項目
で構成されているところ、A、B、C項目が縦割りのカットオフ値を持っており、統合し
た指標ではない点、そして、重症度、医療・看護必要度といいながら、重症度評価の感度
や特異度を検証していない点などが挙げられる。

内保連では、負荷度ランクのビッグデータを基に内科系医師の負荷を適切に表現できる
新たな項目案としてのD項目を9項目選定したところ、各種の重症度評価における感度、
特異度がD項目を含まない従来の重症度、医療・看護必要度より有意に改善した。この分
析については、グリーンブックに詳しく書かれている。
その後、全日本病院協会、日本医師会、厚労省保険局医療課、医系議員の方々とも意見
交換を行い、現場の意見を広く聴取し、現場の負担を軽減する観点から、D項目の中でE
Fファイルから抽出できる6項目に絞り分析を全てやり直した。その6項目でも、従来の
D項目を含まない重症度、医療・看護必要度より感度、特異度ともに改善できた。さらに
補足的にAからD項目の素点の合計値についてカットオフ値を設けることも提案している。

第506回中医協資料pdf39ページ右下9ページに内保連提案の内科系医療ニーズとしてD項
目案が掲載されているが、これは古い資料で、9頁目から6項目に改定しており、それに伴
い、重症患者の判定基準は素点合計が9.5点以上から8.5点以上に変更になっている。
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