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資料4-5   メトホルミン塩酸塩 (19 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000198856_00022.html
出典情報 医薬・生活衛生局が実施する検討会 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議(第50回 1/26)《厚生労働省》
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おける代償性の高インスリン血症と高アンドロゲン血症の悪循環を断ち切ることによ
り、代謝及び生殖に関する結果を改善する可能性がある。
無排卵性不妊症で他の不妊因子を持たない PCOS 患者の不妊治療の第一選択として、
CC(初回 50 mg/日、月経周期 3 日目から 5 日間経口投与)が推奨されている。また、
第一選択としてレトロゾールを支持するデータも増えている。本薬は、肥満の PCOS 患
者の排卵誘発において、CC やレトロゾールに対する補助的な役割を持ち、IVF のため
にゴナドトロピン治療を受けている患者の OHSS の予防に役立つと考えられる。
2) Polycystic Ovary Syndrome: Current and Emerging Concepts. Springer New York. 2014.60)
以下のように記載されている。
卵胞発育において、卵胞内の顆粒膜細胞と卵母細胞にエネルギー供給をすることは重
要である。分裂中の顆粒膜細胞は主に解糖系経路を介してグルコースを利用しており、
これによって生成した ATP 及び代謝物(ピルビン酸及び乳酸)が卵胞液及び卵母細胞
に供給される。
PCOS 患者の顆粒膜細胞においては、インスリン刺激によるグルコースの取込み障害
と解糖系活性の低下が指摘されている。本薬は、インスリン刺激による顆粒膜細胞の
細胞膜へのグルコーストランスポーター(GLUT-4)の移動を増加させることが示され
ており、インスリン抵抗性の PCO における顆粒膜細胞のグルコースの取込みと代謝を
増加させ、卵胞発育を促進する可能性がある。
最近のコクランレビューでは、本薬が投与された女性では排卵率と妊娠率が高いと結
論づけられている。
PCOS 患者における不妊治療の第一選択は CC であるが、妊娠を希望する肥満の PCOS
の女性においては本薬と CC の併用は有効である可能性がある。
本薬単独投与は妊娠を希望する非肥満の PCOS 患者に有効である可能性がある。
<国内における教科書等>
1)生殖医療の必修知識 61)
以下のように記載されている。
・ CC で排卵がみられず、肥満、耐糖能異常又はインスリン抵抗性を認める症例では、CC
に本薬を併用する。
・ CC 抵抗症例を対象としたメタ・アナリシスでは、CC と本薬の併用及び CC で、排卵
率は 76.4%及び 26.4%、妊娠率 27.4%及び 3.8%であり、本薬の併用が極めて効果的で
あることが示されている。
・ 本薬は我が国では排卵誘発薬としての保険適応がなく、糖尿病治療薬として認可され
ているが、一般的に 500~750 mg/日の用量が用いられ、妊娠までの連日投与がなされ
る。

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