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資料2-3 厚生労働科学研究の成果に関する評価 (令和3年度報告書 )(案) (16 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26761.html
出典情報 厚生科学審議会科学技術部会(第130回 7/14)《厚生労働省》
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令和3年度

臨床研究等 ICT 基盤構築・人工知能実装研究事業「成果に関する評価」
(340,441 千円)

1.研究事業の概要
本研究事業は、健康・医療分野における ICT や AI を活用することによる医療の質の向
上と均てん化、診療支援基盤の構築や ICT・AI 開発のためのデータ利活用を推進し、行
政政策の科学的根拠を得ることを目標とする。

2.研究事業の成果
平成 28 年度から開始された本研究事業の成果は、健康・医療分野のデータを利活用す
る基盤として、科学的根拠に基づく行政政策の推進に寄与している。例えば、「医療安
全の確保に向けた手術動画の記録および解析における AI 活用の有用性の実証」(令和2
~4年度)においては、多視点動画を自動編集する手術全録画 AI の有用性が示され、手
術映像解析 AI の要素技術として手術道具を判別する AI を開発・評価するためのデータ
セットと、手術動画の視聴支援システムが開発され、「AI を活用した医療機器の開発・
研究におけるデータ利用の実態把握と課題抽出に資する研究」(令和3年度)において
は、これまで明らかとなっていなかった AI 医療機器の開発および性能評価におけるデー
タ利用の国内外の実態調査が行われ、わが国におけるデータ利用にあたっての課題を抽
出し、現行制度下において可能な方策と今後解消すべき課題が明確化された。

3.成果の評価
本研究事業は健康・医療分野における、ICT や AI を活用することによる医療の質の向
上と均てん化、診療支援基盤の構築や ICT・AI 開発のためのデータ利活用を推進するも
のであり、医療データを収集し安全かつ円滑に使用できる環境を整備し、日本における
ICT や AI の開発を加速させるとともに、医療現場の負担軽減につなげるために重要であ
る。成果は医療データを利活用する基盤となるものであり、データヘルス推進本部、保
健医療分野 AI 開発加速コンソーシアム、AI 戦略における議論を踏まえた政策を推進する
上で有効である。

4.改善すべき点及び今後の課題
健康・医療分野におけるデジタル・トランスフォーメーション(DX)の流れが世界的
に加速している中で、令和4年5月に開催された保健医療分野 AI 開発加速コンソーシア
ム等においては、健康・医療分野における DX の推進に向けて、医療情報のデジタル化及
びデジタルデータ(病理画像、CT・MRI 画像、手術動画、ゲノムデータ等)の AI 研究開
発等への利活用の促進が肝要であることが指摘されている。それらの議論や新たな AI 戦
略等を踏まえ、引き続き、健康・医療分野における ICT・AI 開発に求められる環境整備
に関する研究、健康・医療分野の AI 実装等データ利活用状況等についての調査研究、ま
た、ICT・AI を活用した現場の負担軽減や医療の質の均てん化、更なる精度向上に繋がる
効率的なシステム開発と活用に向けた研究等を実施する必要がある。

5.総合評価
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