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資料1 新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画 (18 ページ)

公開元URL https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2022/0607/agenda.html
出典情報 経済財政諮問会議(令和4年第8回 6/7)《内閣府》
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MarkⅠ」)。第二の見解は、イノベーションの源泉は内部に豊富な資金を抱え、価値
を獲得できるプラットフォームを持つ、大企業にあるとする見解である(「シュンペ
ーター MarkⅡ」)。

新規企業だけの競争市場でもイノベーションは生まれにくいし、大企業だけによ
って寡占化した市場でもイノベーションは生まれにくい。ちょうどその両方が成立
する市場環境において、イノベーションが促進される 20。現実は、MarkⅠとMarkⅡ
が混合された状況である。すなわち、イノベーションを促進するには、①スタート
アップの創業促進と、②既存大企業がオープンイノベーションを行う環境整備、の
双方が不可欠である。
また、企業の参入率・退出率の合計(創造的破壊の指標)が高い国ほど、一人当た
り経済成長率が高い 21。さらに、若い企業(スタートアップ)の方が付加価値創造の
貢献率が高い 22。他方、我が国の開廃業率は、米国や欧州主要国と比べ、低い水準
で推移している 23。
スタートアップの育成は、日本経済のダイナミズムと成長を促し、社会的課題を
解決する鍵である。このため、以下の項目等について、実行のための司令塔機能を
明確化し、新しい資本主義実現会議に検討の場を設け、5年10倍増を視野に5か年
計画を本年末に策定する。
①公共調達の活用とSBIR制度のスタートアップへの支援の抜本拡充
スタートアップを育成する際、公共調達の活用が重要である。SBIR制度
(Small Business Innovation Research)について、創業間もない企業(スタートアップ)
への支援の抜本拡充を図る。このため、SBIR制度に基づく指定補助金等につい
て、拡大を行うとともに、スタートアップ又はスタートアップが加わった一定の要
件を満たすコンソーシアムに限って支出できる特別枠を設定する。
あわせて、民間事業者による調達においても、スタートアップを積極的に活用し
ていくことが望まれる。民間事業者は、「スタートアップとの事業連携及びスター
トアップへの出資に関する指針」を遵守し、スタートアップとの建設的な関係を築
いていく。
②海外のベンチャーキャピタルも含めたベンチャーキャピタルへの公的資本の投資
拡大
ベンチャーキャピタルの投資を受けた企業はそうでない企業と比較して、雇用の
拡大やイノベーションに積極的であることが実証されている 24。
米国では、開業率は減少しているが、ベンチャーキャピタルの投資額は増加して
おり、有望な起業家へのベンチャーキャピタルの投資は増加している。
他方で、ベンチャーキャピタルによる投資額は、米国は36兆円に対し、日本は
0.23兆円に過ぎない(2021年)25。

20
21
22
23
24
25

基礎資料P21:シュンペーターの2つの見解と実証結果
基礎資料P22:企業の参入・退出と一人当たりの経済成長率の関係
基礎資料P23:企業規模と付加価値創造の関係
基礎資料P24、25:開廃業率の推移
基礎資料P26:ベンチャーキャピタル投資と雇用・イノベーション
基礎資料P27:ベンチャーキャピタル投資の日米比較

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