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総-5参考5 (4 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_74036.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 総会(第651回 6/24)《厚生労働省》
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2.本剤の特徴、作用機序
代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)は重篤な進行性肝疾患であり、代謝機能障害関
連脂肪性肝疾患(MASLD)の一部である。MASLD 患者の約 20%において、脂肪性肝疾
患は MASH に進行する1。MASH は、肝細胞の 5%以上に脂肪蓄積(脂肪化)がみられ、
炎症及び肝細胞傷害(肝細胞風船様変性)を伴うことが特徴で、肝線維化の所見の有無
は問わない2。MASH が進行すると、線維化による損傷が肝硬変を引き起こす可能性が
あり、肝硬変は、代償不全性事象、肝不全、肝細胞癌などのさらなる合併症につながる
可能性がある3。MASH の進行は合併症のリスクの上昇と関連している。高度に線維化
が進行した MASH 患者では、肝関連事象が最も頻度の高い合併症となる。
MASLD と心血管リスク上昇の間には強い相関があり、心血管系疾患は合併症や死因
の中で頻度が高い4。
MASLD 及び MASH は、内臓肥満、脂質異常症、インスリン抵抗性などの代謝異常と
密接に関連している。さらに、MASH 患者において肥満と 2 型糖尿病が存在すると、線
維化の進行リスクが高まる5,6。
MASLD 及び MASH は多因子疾患である。その因子としては、脂質生合成経路の調節
異常、酸化ストレス、遺伝的素因、免疫応答の異常、腸内細菌叢の異常(ディスバイオ
シス)などが挙げられる 3,7,8,9。MASLD 及び MASH の病因を、肝脂質蓄積、インスリン
抵抗性、炎症、アポトーシス及び肝線維化を介した代謝機能障害の機序と関連付けるエ
ビデンスが増えつつある10。
セマグルチドは、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬に分類される GLP1 アナログであり、ヒト GLP-1 と 94%のアミノ酸配列の相同性を示す。セマグルチドは
肥満症及び 2 型糖尿病の治療において豊富な臨床使用経験を有する。国内において、セ
マグルチド 2.4 mg 週 1 回皮下投与(販売名:ウゴービ)は、肥満症の適応で承認されて
いる。また、セマグルチド 0.5 及び 1.0 mg 週 1 回皮下投与(販売名:オゼンピック)及
び経口セマグルチド 1 日 1 回投与(販売名:リベルサス)は 2 型糖尿病の治療薬として
承認されている。今般、代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)の効果的な治療選択肢を
提供する薬剤としてセマグルチド 2.4 mg 週 1 回皮下投与の開発を行った。
GLP-1 受容体は、心臓、血管、腎細胞及び免疫系の細胞にも発現するが11、肝細胞上
での GLP-1 受容体の発現は確認されていない12。よって、肝臓に対するセマグルチドの
効果は間接的なものであり、主に、代謝因子の改善 12(体重減少13、血圧低下 13 及び炎
症抑制14,15)
、ならびに糖及び脂質代謝の改善 13 によるところが大きいと考えられてい
る。なお、本剤による MASH の病態改善の機序には、体重減少の寄与に加え、MASH に
おける炎症や線維化に関わる複数の蛋白質やシグナル経路の変化が観察されたことか
ら、非体重依存の要素がある可能性が示唆されている16,17。

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