よむ、つかう、まなぶ。
資料5-1 感染症定期報告感染症別文献一覧表[909KB] (3 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64439.html |
| 出典情報 | 薬事審議会 医薬品等安全対策部会(令和7年度第2回 10/24)《厚生労働省》 |
ページ画像
ダウンロードした画像を利用する際は「出典情報」を明記してください。
低解像度画像をダウンロード
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
ID
感染症(PT)
出典
概要
Emerging Microbes &
Infections.
14(2025)2466705
【概要】韓国でCOVID-19とは異なる新しいヒトコロナウイルス(HCoV)が発見された。このウイルスはア
ルファコロナウイルスファミリーに属し、肺炎の症状がある生後103日の乳児から検出された。
【患者の症状】感染した乳児は発熱、咳、痰、鼻水、急性中耳炎、肝機能異常等の症状を示し、肺炎が
認められた。保存的治療により症状は改善し、8日後に退院した。
【ウイルスの由来】研究者たちは、韓国の野生のげっ歯類、特にアカネズミ属がこのウイルスの自然宿
主である可能性が高いと考えている。調査では、16匹のアカネズミ属が新型アルファコロナウイルスに感
染していることが確認された。
【遺伝的類似性】新しいウイルスは既存のHCoVとは遺伝的に異なり、げっ歯類由来のアルファウイルス
と密接に関連している。
【公衆衛生への影響】このウイルスの感染経路と病原性を分析し、対策を開発する必要がある。ヒトから
ヒトへの感染の可能性については、さらなる研究が必要である。
11 コロナウイルス感染
ProMED-mail
20250228.8722484
韓国におけるCOVID-19とは異なる新たなヒトコロナウイルスによる初めてのヒト感染例が確認された。
研究者らは、2022年に肺炎症状を呈し高麗大学病院に入院していた103日齢の乳児1例の検体を分析し
た。患児は発熱、咳嗽、痰及び鼻汁を含む呼吸器症状を呈し、急性中耳炎及び肝機能異常も有してい
た。肝機能及び呼吸器症状は保存療法で改善し、8日後に退院した。研究チームは発生源の特定のた
め、2018年から2022年に採取された野生のヤマネ880匹のウイルス感染を検査した。そのうち16匹
(1.8%)が新型アルファコロナウイルスに感染していたことが判明し、乳児で確認されたウイルスと93.0%
から96.8%の高い遺伝的類似性を示した。本ウイルスはヒトコロナウイルス(229E、NL63、OC43、HKU1)
とは遺伝的に異なり、げっ歯類に由来する可能性が高い。げっ歯類がウイルスの自然宿主である可能
性が高いが、感染経路はいまだ不明である。COVID-19は主に肺炎を引き起こしているが、本ウイルス
は肝機能障害や肺炎に関連していた。ヒト-ヒト感染の可能性については更なる研究が必要である。 こ
れまでのヒトコロナウイルスよりも、中国及び韓国で確認されたげっ歯類由来のアルファウイルス
(AcCoV-JC34)に近かった。本ウイルスは動物からヒトに跳躍した新しい形態のウイルスである可能性
が高い。
12 サル痘
CIDRAP.
中国CDCは2025年1月9日、コンゴ民主共和国に居住していた外国人1人と濃厚接触者4人が関与する、
https://www.cidrap.umn 中国初となるクレード1bエムポックス症例の確認を発表した。初感染者の濃厚接触者4人は主に発疹等
.edu/mpox/chinaの軽度の症状が見られ、初感染者の接触者に追加の感染は確認されていない。患者は治療を受けてお
reports-mpox-clade- り、経過観察中である。中国は、アフリカ以外でクレード1bエムポックスを検出した12番目の国であり、ア
1b-cluster
フリカ以外では英国、ドイツ、中国で限定的な二次感染が報告されている。
10 コロナウイルス感染
13 ハンタウイルス感染
ProMED-mail
20250701.8725348
ドイツのバイエルン州ではハンタウイルス感染症が急増している。特にヴュルツブルク、アシャッフェンブ
ルク、シュヴァーベン・アルプ地方周辺では、2024年の2倍の症例が報告されている。ハンタウイルスは、
ヨーロッパヤチネズミが原因となり、尿、糞、唾液を介してウイルスを拡散する。感染は通常気付かれず
に発生し、古い小屋や庭の物置を掃除する人が、ウイルスを含んだ埃を舞い上げる可能性がある。症状
は、インフルエンザのような症状から重度の腎障害まで多岐にわたる。問題は、ネズミ自身に病気の症
状がないことであり、そのため、暖冬後には爆発的に繁殖する。早期警戒システムではすでに気象デー
タと繁殖期を用いて、特に危険な地域を予測している。こうした情報は、自然環境や森林のような環境で
活動する際に、時期に合わせて行動を適応させるのに有効である。また、巣材や餌の痕跡といった初期
兆候は、重要な警告信号となる。バイエルン州では、わずか数週間でハンタウイルス感染症の症例が27
件から55件に増加した。これは2024年の同時期(21件)の2倍に相当する。古い建物、薪置き場、小屋等
に日常的に接触する人は特にリスクが高い。現在、ワクチンや特効薬がないため、予防のみが有効な対
策とされている。入室前には部屋を十分に換気し、床面を湿らせ、手袋とFFP2マスクを着用することで、
ウイルスを含む危険な粉塵を吸い込むことを防げる。専門家は、排泄物や死骸は乾いた状態で掃かず、
必ず密閉容器に入れて処理すること、また、隙間を塞ぐ構造的対策や、定期的に床面を湿らせての清掃
も推奨している。特に暖かい夏の時期には、床を湿らせることでホコリの発生を抑える効果がある。今こ
の時期に警戒を怠らなければ、目に見えない深刻な脅威から身を守ることができる。バイエルン州保健
食品安全局の広報担当者は、ハンタウイルス感染症の件数は毎年変動しており、主にヨーロッパヤチネ
ズミの個体数に左右されるとしている。ただし、過度に心配する必要はなく、感染率が比較的高い年があ
るのは珍しいことではないとも述べられている。実際に、2017年、2019年、2021年にも平均を上回る感染
者数が記録されている。2025年のハンタウイルス感染症に関して、今年の症例の多くがバイエルンの森
林地帯で確認され、その他にも、ヴュルツブルクやアシャッフェンブルク周辺地域、そしてシュヴァーベ
ン・アルプの一部地域でも、年初から感染が報告されている。これらの地域にはブナ林が多く、ヨーロッ
パヤチネズミが好む生息地となっている。ブナの実が落ちるほど、ヨーロッパヤチネズミとハンタウイル
スも増え、感染者数もそれに応じて増加する。
GOV.UK.
パスツレラ科はパスツレラ属、アクチノバチルス属、ヘモフィルス属を含むグラム陰性細菌で、主に哺乳
https://www.gov.uk/go
類や鳥類を含む脊椎動物の特殊な常在菌及び病原体である。本研究の著者らは、腸管腺癌と診断され
vernment/publications/
たフランスの患者から分離されたパスツレラ科の新しい細菌属及び種であるEmayella augustorita を報
emerging-infections告した。
monthlyパスツレラ感染、ウイルス
最近の研究において、Restvirusの発見と特徴付けが報告され、このウイルスはStatovirusesの新しい分
14
summaries/infectious感染
類群と遺伝的に関連はしているが、異なるものである。これらのウイルスは、中国北京の5例の患者の呼
disease-surveillance吸器サンプルから得たメタトランスクリプトミクス・データの後ろ向き分析によって特定された。この研究で
and-monitoring-forは、急性呼吸器疾患の患者でこれまで認識されていなかったウイルスであるRestvirusが発見されたこと
animal-and-humanは、ヒトにおける呼吸器病原体の継続的な出現を浮き彫りにしており、その病原性と臨床的重要性を特
health-summary-june徴付けるための更なる調査が必要であると述べている。
2024
15 パスツレラ菌血症
Emerg Infect Dis.
30(2024)1719-1721
【概要】Pasteurellaceae科に属する新しい細菌、Emayella augustorita が発見された。
【患者の背景】フランスの74歳の女性が腸の腺癌と診断され、胆道プロテーゼを設置された。
【感染症の経過】患者は2022年1月に重症の敗血症で入院し、血液培養から新しい細菌が分離された。
【細菌の特徴】この細菌は短いグラム陰性桿菌で、カタラーゼ陰性、オキシダーゼ陽性、非運動性、発酵
性、好炭酸性、非溶血性である。
【治療と結果】患者は抗生物質治療を受けたが、状態が悪化し、2022年2月に死亡した。
3/6
感染症(PT)
出典
概要
Emerging Microbes &
Infections.
14(2025)2466705
【概要】韓国でCOVID-19とは異なる新しいヒトコロナウイルス(HCoV)が発見された。このウイルスはア
ルファコロナウイルスファミリーに属し、肺炎の症状がある生後103日の乳児から検出された。
【患者の症状】感染した乳児は発熱、咳、痰、鼻水、急性中耳炎、肝機能異常等の症状を示し、肺炎が
認められた。保存的治療により症状は改善し、8日後に退院した。
【ウイルスの由来】研究者たちは、韓国の野生のげっ歯類、特にアカネズミ属がこのウイルスの自然宿
主である可能性が高いと考えている。調査では、16匹のアカネズミ属が新型アルファコロナウイルスに感
染していることが確認された。
【遺伝的類似性】新しいウイルスは既存のHCoVとは遺伝的に異なり、げっ歯類由来のアルファウイルス
と密接に関連している。
【公衆衛生への影響】このウイルスの感染経路と病原性を分析し、対策を開発する必要がある。ヒトから
ヒトへの感染の可能性については、さらなる研究が必要である。
11 コロナウイルス感染
ProMED-mail
20250228.8722484
韓国におけるCOVID-19とは異なる新たなヒトコロナウイルスによる初めてのヒト感染例が確認された。
研究者らは、2022年に肺炎症状を呈し高麗大学病院に入院していた103日齢の乳児1例の検体を分析し
た。患児は発熱、咳嗽、痰及び鼻汁を含む呼吸器症状を呈し、急性中耳炎及び肝機能異常も有してい
た。肝機能及び呼吸器症状は保存療法で改善し、8日後に退院した。研究チームは発生源の特定のた
め、2018年から2022年に採取された野生のヤマネ880匹のウイルス感染を検査した。そのうち16匹
(1.8%)が新型アルファコロナウイルスに感染していたことが判明し、乳児で確認されたウイルスと93.0%
から96.8%の高い遺伝的類似性を示した。本ウイルスはヒトコロナウイルス(229E、NL63、OC43、HKU1)
とは遺伝的に異なり、げっ歯類に由来する可能性が高い。げっ歯類がウイルスの自然宿主である可能
性が高いが、感染経路はいまだ不明である。COVID-19は主に肺炎を引き起こしているが、本ウイルス
は肝機能障害や肺炎に関連していた。ヒト-ヒト感染の可能性については更なる研究が必要である。 こ
れまでのヒトコロナウイルスよりも、中国及び韓国で確認されたげっ歯類由来のアルファウイルス
(AcCoV-JC34)に近かった。本ウイルスは動物からヒトに跳躍した新しい形態のウイルスである可能性
が高い。
12 サル痘
CIDRAP.
中国CDCは2025年1月9日、コンゴ民主共和国に居住していた外国人1人と濃厚接触者4人が関与する、
https://www.cidrap.umn 中国初となるクレード1bエムポックス症例の確認を発表した。初感染者の濃厚接触者4人は主に発疹等
.edu/mpox/chinaの軽度の症状が見られ、初感染者の接触者に追加の感染は確認されていない。患者は治療を受けてお
reports-mpox-clade- り、経過観察中である。中国は、アフリカ以外でクレード1bエムポックスを検出した12番目の国であり、ア
1b-cluster
フリカ以外では英国、ドイツ、中国で限定的な二次感染が報告されている。
10 コロナウイルス感染
13 ハンタウイルス感染
ProMED-mail
20250701.8725348
ドイツのバイエルン州ではハンタウイルス感染症が急増している。特にヴュルツブルク、アシャッフェンブ
ルク、シュヴァーベン・アルプ地方周辺では、2024年の2倍の症例が報告されている。ハンタウイルスは、
ヨーロッパヤチネズミが原因となり、尿、糞、唾液を介してウイルスを拡散する。感染は通常気付かれず
に発生し、古い小屋や庭の物置を掃除する人が、ウイルスを含んだ埃を舞い上げる可能性がある。症状
は、インフルエンザのような症状から重度の腎障害まで多岐にわたる。問題は、ネズミ自身に病気の症
状がないことであり、そのため、暖冬後には爆発的に繁殖する。早期警戒システムではすでに気象デー
タと繁殖期を用いて、特に危険な地域を予測している。こうした情報は、自然環境や森林のような環境で
活動する際に、時期に合わせて行動を適応させるのに有効である。また、巣材や餌の痕跡といった初期
兆候は、重要な警告信号となる。バイエルン州では、わずか数週間でハンタウイルス感染症の症例が27
件から55件に増加した。これは2024年の同時期(21件)の2倍に相当する。古い建物、薪置き場、小屋等
に日常的に接触する人は特にリスクが高い。現在、ワクチンや特効薬がないため、予防のみが有効な対
策とされている。入室前には部屋を十分に換気し、床面を湿らせ、手袋とFFP2マスクを着用することで、
ウイルスを含む危険な粉塵を吸い込むことを防げる。専門家は、排泄物や死骸は乾いた状態で掃かず、
必ず密閉容器に入れて処理すること、また、隙間を塞ぐ構造的対策や、定期的に床面を湿らせての清掃
も推奨している。特に暖かい夏の時期には、床を湿らせることでホコリの発生を抑える効果がある。今こ
の時期に警戒を怠らなければ、目に見えない深刻な脅威から身を守ることができる。バイエルン州保健
食品安全局の広報担当者は、ハンタウイルス感染症の件数は毎年変動しており、主にヨーロッパヤチネ
ズミの個体数に左右されるとしている。ただし、過度に心配する必要はなく、感染率が比較的高い年があ
るのは珍しいことではないとも述べられている。実際に、2017年、2019年、2021年にも平均を上回る感染
者数が記録されている。2025年のハンタウイルス感染症に関して、今年の症例の多くがバイエルンの森
林地帯で確認され、その他にも、ヴュルツブルクやアシャッフェンブルク周辺地域、そしてシュヴァーベ
ン・アルプの一部地域でも、年初から感染が報告されている。これらの地域にはブナ林が多く、ヨーロッ
パヤチネズミが好む生息地となっている。ブナの実が落ちるほど、ヨーロッパヤチネズミとハンタウイル
スも増え、感染者数もそれに応じて増加する。
GOV.UK.
パスツレラ科はパスツレラ属、アクチノバチルス属、ヘモフィルス属を含むグラム陰性細菌で、主に哺乳
https://www.gov.uk/go
類や鳥類を含む脊椎動物の特殊な常在菌及び病原体である。本研究の著者らは、腸管腺癌と診断され
vernment/publications/
たフランスの患者から分離されたパスツレラ科の新しい細菌属及び種であるEmayella augustorita を報
emerging-infections告した。
monthlyパスツレラ感染、ウイルス
最近の研究において、Restvirusの発見と特徴付けが報告され、このウイルスはStatovirusesの新しい分
14
summaries/infectious感染
類群と遺伝的に関連はしているが、異なるものである。これらのウイルスは、中国北京の5例の患者の呼
disease-surveillance吸器サンプルから得たメタトランスクリプトミクス・データの後ろ向き分析によって特定された。この研究で
and-monitoring-forは、急性呼吸器疾患の患者でこれまで認識されていなかったウイルスであるRestvirusが発見されたこと
animal-and-humanは、ヒトにおける呼吸器病原体の継続的な出現を浮き彫りにしており、その病原性と臨床的重要性を特
health-summary-june徴付けるための更なる調査が必要であると述べている。
2024
15 パスツレラ菌血症
Emerg Infect Dis.
30(2024)1719-1721
【概要】Pasteurellaceae科に属する新しい細菌、Emayella augustorita が発見された。
【患者の背景】フランスの74歳の女性が腸の腺癌と診断され、胆道プロテーゼを設置された。
【感染症の経過】患者は2022年1月に重症の敗血症で入院し、血液培養から新しい細菌が分離された。
【細菌の特徴】この細菌は短いグラム陰性桿菌で、カタラーゼ陰性、オキシダーゼ陽性、非運動性、発酵
性、好炭酸性、非溶血性である。
【治療と結果】患者は抗生物質治療を受けたが、状態が悪化し、2022年2月に死亡した。
3/6