４．賃上げ （２）－③最低賃金
 最低賃金近傍で働く雇用者の割合が高く、人数も多い「宿泊・飲食サービス業」及び「卸売・小売業」では、人手不足感が強い。
 民間機関が公表する中長期的な労働力需給見通しをみると、これらの産業における大きな労働力不足が見込まれている。
 「宿泊・飲食サービス業」の分野で導入が進められている省力化投資（接客等のロボット・自動化）は、労働生産性を押し上げ
る効果が高いことが確認されている。
＜図３：省力化投資による労働生産性向上効果＞

＜図１：最低賃金近傍で働く雇用者の割合と人手不足感＞
▲70

（雇用人員判断ＤＩ）

▲60

人手不足感 60 （％）
が強い
宿泊・飲食サービス業

建設業

▲50

40
30

不動産業

▲30

鉱業

▲20

電気・ガス・水

卸売・小売業

20

**

16.6

13.7

15%

20%

25%

30%

35%

（最低賃金近傍で働く雇用者の割合）

＜図２：労働力不足の見通し（2035年時点）＞
産業

サービス

卸売・
小売業

医療・
福祉

建設業

製造業

労働力
不足量

115万人

77万人

49万人

44万人

35万人

2024年の
就業者数

1,412万人

1,045万人

922万人

477万人

1,046万人

主に宿泊・飲食サービス業
における省力化

ＷＥＢ・
ＩＴ関連の
ソフトやシステムの導入

10%

最賃近傍で働く
雇用者の割合が高い

ＲＰＡ

0

接客等のロボット・
自動化

5%

26.7

***

省力化投資全体

道・廃棄物処理業

0%

***

10
製造業

▲10
0

45.8

50

運輸・郵便業

情報通信業

▲40

***

主に製造業、金融・保険業
における生産管理、人事管理、
事務処理等の面での省力化

（注）企業へのアンケート調査結果と財務データを用いて、
労働生産性（自然対数）を被説明変数、省力化投資の実施
（ダミー変数）を説明変数とした回帰分析の結果。

（備考）図１は、三菱総合研究所「最低賃金に関する報告書」、日本銀行「全国企業短期経済観測調査（2025年３月）」より作成。
図２は、パーソル研究所「労働市場の未来推計2035」より引用。就業者数は総務省「労働力調査」により作成。サービスは、「宿泊・飲食」、「学術研究、専門・技術サービス」「生活関連サービス業，娯楽業」等。
図３は、内閣府「令和６年度年次経済財政報告」より作成。***は１％水準、**は５％水準で有意であることを示す。RPAは、「Robotic Process Automation（ロボティック・プロセス・オートメーション）」の略。

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