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父親支援マニュアル (28 ページ)

公開元URL https://www.ncchd.go.jp/scholar/section/policy/project/papasupport_manual.pdf
出典情報 日本初・自治体向け父親支援マニュアルを公開-「父親の産後うつ」や孤立を防ぎ、幸せな子育て期の実現を目指して-(1/30)《国立成育医療研究センター》
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第3章

事業構築に向けたアプローチ

2 課題の明確化
解決したい課題について、住民のニーズや社会

談できる」などと設定し、その目標を達成するための

的背景、生活状況などにより整理し、明らかになっ

課題を明らかにしたうえで、事業を構築・実施すると

た実態を踏まえて「その課題の本質とは何か」
「最

いったプロセスが、
「課題の本質を捉える」
ことになる。

終的な目標」について確認しておく必要がある。

ここでは、中間アウトカムに「父親が家庭や育児

父親支援を目的とした事業というと、父親をい

について相談できる」と設定しているため、アウ

かに育児に取り組ませるか、あるいは、母親の支

トプットである解決すべき具体的な課題としては、

援者として機能させるかといった課題の設定にな

「夫婦の関係性を良好に保つことの必要性の理解」

りがちである。しかし、まずは目指すべき最終的

などが該当するであろう。そして、
「夫婦を対象と

な目標を確認し、その目標を向いた時の自治体の

した講座や相談会の定期開催」
「リーフレットの作

現状を明らかにする。そして、
その現状から、
スモー

成」などが事業の構築・実施となる。

ルステップで解決すべき課題の本質を決定づける

なお、検討する際には、中間アウトカムを一つ

プロセスが重要であり、初めにそこから逆算して、

に限定しなくてもよい。アウトカムである「父親の

現在行うべき事業やその優先順位を決めるバック

ウェルビーイング」を向上させるための一つのプロ

キャスティング的思考で検討することが望ましい。

セスとして、
「家庭や育児における父親の悩みが減

つまり、図 3 − 3 に示した例でいうと、最終的なア

る」
などと設定し、そのために「父親が家庭や育児

ウトカムを「父親のウェルビーイング」に設定した場合、

について相談できる」と中間アウトカムを段階的に

中間アウトカムとして「父親が家庭や育児について相

考えていくと、より論理的な構造が作りやすい。

図3−3

ロジックモデルを用いた父親支援を目的とした新規事業の検討例

アウトプット

中間アウトカム

アウトカム

夫婦の関係性の理解

父親が家庭や育児に

父親の

事業

ついて相談できる

ウェルビーイング

指標

指標

指標

事業の実施回数

父親の育児相談件数

父親の産後うつ発症

課題

講座・相談会の開催

指標
事業の参加状況

指標
お互いの育児に満足
している夫婦の割合

28

指標
夫婦関係への満足