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資料2-3 インターフェロンベータ-1a(遺伝子組換え)及びインターフェロンベータ-1b(遺伝子組換え)の電子化された添付文書一覧 (16 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24579.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和3年度第31回 3/22)《厚生労働省》
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17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第Ⅱ相試験
再発・寛解型多発性硬化症患者を対象とした二重
盲検群間比較試験において、本剤160万又は800万
国際単位(IU)を2年間隔日皮下投与した。成績は
以下のとおりであった4)。
800万IU
160万IU
(N=95) (N=93)
年間再発率
0.763回/年 1.069回/年
非再発症例率
44.2%
34.4%
中等度~高度の年間再発率
0.363回/年 0.457回/年
初回再発までの期間(中央値)
426日
360日
年間再発期間(中央値)
7.1日
16.4日
800万IU投与群は160万
投与後の病巣面積(MRI検査) IU投与群に比し有意に
抑制
副作用は160万IU群で96例中87例(90.6%)、800万
IU群で96例中88例(91.7%)に認められた。主な副
作用は、160万IU群では発熱50例(52.1%)、注射部
位発赤42例(43.8%)、頭痛25例(26.0%)、注射部位
疼痛16例(16.7%)、嘔気15例(15.6%)、注射部位硬
結15例(15.6%)、倦怠感12例(12.5%)等であり、
800万IU群では発熱73例(76.0%)、注射部位発赤43
例( 4 4 . 8 % )、 頭 痛 3 4 例( 3 5 . 4 % )、 倦 怠 感 2 8 例
(29.2%)、注射部位疼痛22例(22.9%)、注射部位硬
結19例(19.8%)、関節痛16例(16.7%)等であった。
17.1.2 海外第Ⅲ相試験
(1)再発・寛解型多発性硬化症患者を対象としたプ
ラセボ対照二重盲検比較試験において、本剤
160万IU、800万IU又はプラセボを2年間隔日皮
下投与した。800万IU群、プラセボ群の成績は
以下のとおりであった5)。
投与群

投与群

800万IU プラセボ群
(N=115) (N=112)
0.84回/年 1.27回/年
31%
16%

年間再発率
非再発症例率
中等度~高度再発が認められた
30%
45%
症例
初回再発までの期間(中央値)
295日
153日
MRI検査では、プラセボ群では病巣面積が増加
したのに対し、800万IU投与群では減少が認め
られた6)。
全身症状の有害事象は800万IU群115例中114例
(99.1%)、プラセボ群112例中104例(92.9%)に認
められた。800万IU群で認められた主な有害事
象は、頭痛95例(82.6%)、注射部位炎症79例
(68.7%)、発熱67例(58.3%)、疼痛56例(48.7%)、
感冒様症状55例(47.8%)等であり、プラセボ群
では、83例(74.1%)、7例(6.3%)、38例(33.9%)、
46例(41.1%)、49例(43.8%)であった。
(2)二次進行型多発性硬化症患者を対象としたプラ
セボ対照二重盲検比較試験において、本剤800
万IU又はプラセボを2~3年間皮下投与した。成
績は以下のとおりであった7)。
投与群
年間再発率
症状の進行が認められた症例
症状が進行するまでの期間

800万IU プラセボ群
(N=360) (N=358)
0.42回/年 0.57回/年
45.3%
53.9%
プラセボ群に比し有意に
延長

800万IU プラセボ群
(N=360) (N=358)
プラセボ群に比し有意に
車椅子生活に至るまでの期間
延長
MRI検査では、プラセボ群では病巣が拡大した
のに対して、800万IU投与群では縮小が認めら
れた。また、造影MRIにより描出される新活動
病巣数はプラセボ群の約3分の1に減少した8)。
有害事象は800万IU群360例中359例(99.7%)、プ
ラセボ群358例中358例(100.0%)に認められた。
プラセボ群と比較して800万IU群で発現率が有
意に高かった。主な有害事象は感冒様症状
(61.1%:39.7%)※、発熱(40.3%:13.4%)※、筋緊

張亢進(40.8%:31.3%)
等であった(p<0.05)。
※:800万IU群:プラセボ群
投与群

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
18.1.1 インターフェロン-γの産生抑制9)及び抗原提示細
胞からの抗原提示を低下10)させることにより免疫
応答の増強を抑制する。
18.1.2 T細胞サプレッサー活性の上昇 11)及び抗炎症性サ
イトカイン12),13)の産生を促進し炎症性細胞の活性
化を抑制する。
18.1.3 very late antigen-4発現抑制14)及び可溶性vascular
cell adhesion molecule-1の遊離増加15)による細胞
間の接着抑制又はMatrix Metalloproteinase-9の産
生抑制16)による血液脳関門保護などにより末梢血
からの炎症性細胞の中枢神経系への浸潤を抑制する。
18.1.4 ミエリン産生細胞である乏突起神経膠細胞傷害性
を有する腫瘍壊死因子等 17),18)の産生を抑制するこ
とにより脱髄を抑制する。
18.2 多発性硬化症に対する作用
120及び1200万国際単位/kgを抗原(ミエリン塩基性
タンパク)投与開始日から1日1回20日間皮下投与す
ることによりモルモット実験的自己免疫性脳脊髄炎
の病態の進行を抑制した19)。
18.3 その他の薬理作用
抗ウイルス活性、細胞増殖抑制作用及びナチュラル
キラー細胞活性化作用を示した20)。

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称:‌インターフェロンベータ-1b(遺伝子組換
え)
[ I n t e r f e r o n B e t a - 1 b( g e n e t i c a l
recombination)

略 名:IFN-β-1b
分子式:‌C903H1397N245O252S5
分子量:‌19,877.57
化学構造式:‌165個のアミノ酸からなるタンパク質

20. 取扱い上の注意

20.1 本剤は特定生物由来製品に該当することから、本剤
を使用した場合は、医薬品名(販売名)、その製造番
号又は製造記号(ロット番号)、使用年月日、使用し
た患者の氏名、住所等を記録し、少なくとも20年間
保存すること。
20.2 小児の手のとどかない所に保管するよう指導すること。

22. 包装

5瓶[溶解液1.2mL(シリンジ)5本及び注射針付バイアル
コネクター(薬液導入器)5個添付]
15瓶[溶解液1.2mL(シリンジ)15本及び注射針付バイア
ルコネクター(薬液導入器)15個添付]

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