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【資料10】日本作業療法士協会、日本言語聴覚士協会、日本理学療法士協会 (13 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35427.html
出典情報 社会保障審議会 介護給付費分科会(第226回 10/2)《厚生労働省》
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ICF精神機能別生活障害に対する作業療法士による指導【例】
中核症状

代償

練習

例示

記憶機能
障害

・ノートでメモするなど書字で代償
・大切な物入れを赤など目立つ色とするな
ど視覚の代償
・手続き記憶は最後まで残存するため、本
人の生活歴、興味・関心リストから、好き
でよくしていた作業を把握する

・記憶障害のあることを理
解し、左記の習慣づけを早
期から実践する。
・本人の好きでできる作業
は早期から取組み、進行し
ても継続できるよう、生活
習慣の中に組み込む。

・料理のメニューを書き出す。台所
に白板を用意し、料理のメ二ューと
食材を書き出す
・針仕事が好きな方には、縫い物を
早期の段階から認知障害防止として
提案し、実践するよう勧める。重度
になっても針を持つことで安心する
ようになる。

見当識

・時間は、目覚まし時計など聴覚で代償
・場所は目印とエピソード記憶で代償

・カレンダー、時計などで
確認する習慣づけをする

・散歩などはコース設定を早期から
行い、家族が確認をしておく。場合
によっては地域の支援組織に理解を
求める

注意機能
障害

・大切な物入れを赤など目立つ色とするな
ど視覚の代償
・好きな作業をすると注意の維持が改善す


・生活のなかで本人の好き
な作業を把握、継続を進め


・食材が大きめに切られることがあ
るが、障害を家族が理解する
・好きな作業は比較的長時間実施で
きるよう支援する

精神運動
統制障害

・できる生活行為を継続することが重要。
しなくなることで徐々に下手になり、でき
なくなる

・生活行為を繰りかえし実


・家族・支援者が本人の障害を理解
し、多少完成度が低くても継続を支
援する

複雑な運
動障害

・失行症状により、行為自体がうまくでき
ない。できる1つの行為を継続し、行うこ
とが大切
・道具はシンプルなものとする。使い方を
書き貼るなど視覚で代償。
・行為もできる限り、シンプルとする

・使い方の練習をする
・メモを読みながら使用で
きるよう練習する

・エアコンのボタンに暖房のところ
に寒いという字やマークを張る
・トイレに「パンツをおろし、座
る」と書いて貼る、ペーパーはあら
かじめ20cmほどペーパーを下げる。
また、切ったペーパーを足元に置く。

情動機能
障害

・自己効力感を高める作業を選択、実践を
促す
・怒った顔や言い方をしない

・周囲が本人に情動機能障
害があることを理解し、接
し方を工夫する

・話しかけるときは、にこやかに明
るく静かに話しかける。
・本人にとって仕事の意味に近い書
字を導入し、自己有効感を高める

認知障害作業療法ケースブック 疾患別にみる認知症と作業療法 AD、DLB、TFDを中心に

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