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薬-2参考3○令和6年度薬価改定の主な課題と議論の進め方について (30 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212451_00064.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 薬価専門部会(第202回 6/21)《厚生労働省》
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(データ利活用等)


創薬を行うに当たって は、電子カルテ情報の整備等の医療 DX(デジタルトランスフ
ォーメ ーショ ン) の推 進に向 けた取 組 な ど、 リアル ワール ドデ ータ の利活 用 を促 進す
るとと もに、 全ゲ ノム 解析等 実行計 画の 推進 による 情報基 盤の 整備 と結果 の患者 への
還元を推進すべきである。

(革新的創薬に向けた研究開発への経営資源の集中化)


研究開発型企業においては、革新的創薬に向けた研究開発への経営資源の集中化を図
るべき であ り、特 許期 間中の 新薬 の売上 で研 究開発 費の 回収を 行う ビジネ スモ デル へ
の転換を促進するため、薬価制度の見直し等を行うことが必要である。



第1章に記載のとおり、長期収載品については 、今なお諸外国と比べその使用比率が
高くな って いるこ と等 を踏ま え、 長期収 載品 による 収益 への依 存か ら脱却 する ため、
原則として後発品への置換えを引き続き進めていくべきである。



その際、後発品への置換えが数量ベースで約8割、金額ベースでは約4割となるもの
の、近 年は 横ばい の状 態が続 いて いるこ とを 踏まえ ると 、更な る置 換え促 進に は、こ
れまでと異なるアプローチを検討することが必要である。



こうした点を踏まえ、新薬の研究開発に注力する環境を整備する観点 や、長期収載品
の様々 な使 用実態 ( 抗 てんか ん薬 等での 薬剤 変更リ スク を踏ま えた 処方、 薬剤 工夫に
よる付 加価 値等へ の選 好等 ) に応 じた評 価を 行う観 点か ら、 選 定療 養の活 用や 現行の
後発品 への 置換え 率に 応じた 薬価 上の措 置 の 見直し を含 め、適 切な 対応に つい て、検
討すべきである。

(バイオシミラーの政府目標)


バイオシミラーの使用促進に係る数値目標については、 令和 11 年度(2029 年度)末
までに、バイオシミラーに 80%以上置き換わった成分数が全体の成分数の 60%以上に
することと設定されたことを踏まえ、これを第4期医療費適正化計画(令和6~11 年
度)に 反映す ると とも に、各 品目の 特性 や状 況を踏 まえつ つ 、 治療 の初回 からバ イオ
シミラ ーを積 極的 に使 用する ことを 促す 等の 置換え 推進策 を順 次検 討すべ き であ る。
また、市場での状況をモニタリングし、必要に応じて追加施策を検討すべき である。

2.2.2


ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロスの解消

医療上必要な医薬品が患者に対して迅速かつ安定的に届くことが重要であることは論
を待た ないが 、現 状で は、希 少疾病 や 小 児、 難病の 医薬品 を中 心と して、 ドラッ グ・
ラグ/ ドラッ グ・ ロス の懸念 も生じ てお り、 必要な 医薬品 が迅 速に 利用で きない 患者
が存在している状況にある。



この背景には、第1章で述べたとおり、世界的なモダリティの変化やこれに伴う創薬
主体の変化に必ずしも現行の薬事制度や薬価制度が適合していないという現状がある
と考えられる。医療上特に必要な革新的医薬品が迅速に患者に届く環境を整備するた
めには、これらを大胆に見直すことが必要であり、また、現に患者に届いていない医
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