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薬-2参考3○令和6年度薬価改定の主な課題と議論の進め方について (10 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212451_00064.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 薬価専門部会(第202回 6/21)《厚生労働省》
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1.2

創薬力の低下とドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロスの懸念

1.2.1

日本の創薬力の低下

(世界の潮流と日本の現状)


世界の医薬品市場を俯瞰すると、日本起源の医薬品の品目数の減少や、それらの医薬
品の世界市場シェア(売上高)の低下など、日本の医薬品産業の国際競争力の低下が
見て取れる状況にある。



具体的には、医療用医薬品の売上額世界上位 100 品目のうち日本起源のものが 12 品
目(2003 年)から 9 品目(2020 年)に減少し、日本起源の品目の世界市場シェ ア 1 3
(売上高)は 12.1%(2000 年)から、9.8%(2019 年)に低下している。



また、国内市場における売上シェアについても、外資系企業が内資系企業を上回る状
況 1 4 となっており、貿易収支では、輸入超過による赤字が拡大 1 5 している。



これらの現状を踏まえ、日本では、「医薬品産業ビジョン 2021」、「健康医療戦略」と
いった医薬品産業が向かうべきビジョンや戦略を打ち出してきたが、産業育成やグロ
ーバル展開の観点が不足しており、関係する中長期的な KPI も示されていないと指摘さ
れている。



この点、諸外国においては、具体的な定量目標も含めた戦略が打ち出されている。例
えば、英国では、「Life Science industrial st rategy」が作成され、この中で、科
学力強化等の5項目について具体的な数値目標が提示されている。また、韓国では、
「バイオ革新戦略 2025」が策定され、国産新薬の開発(新薬候補物質を新規 100 個、
ブロックバスター 1 6 5品目を創出)を目標に掲げるなど、中長期的な戦略が策定されて
いる。



こうした現状を踏まえ、諸外国のように、グローバル展開も見据えた中長期的な戦略
を策定し、実効性のある取組を行う必要性が指摘されている。

(モダリティ 1 7 の変化)


近年、従来型の低分子医薬ではアプローチが困難であった創薬ターゲットに対して、
バイオテクノロジーやゲノム解析などの技術が大きく進化したことに伴い、高度な個
別化医療、希少疾病、予防医療等の研究が進んだ結果、創薬のモダリティが多様化し
ている 1 8 。



こうした中、日本の創薬力低下の大きな要因の一つとして、製薬企業が新規モダリテ
ィの変化に立ち後れてきたことが挙げられる。

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年間売上高7億ドル以上の品目を対象に集計したもの。
第7回 医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会 参考資料 p 6
輸入総額:約3兆円に対して、輸出総額:5,600 億円(令和3年薬事生産動態統計調査)
一般的に年間 1 ,0 0 0 億円以上を売り上げる超大型の医薬品を指す。
治療手 段( 創 薬技 術・ 手 法)。第 1回 医薬 品の 迅 速・ 安定 供給 実 現に 向け た 総合 対策 に関 す る有 識
者検討会 日本製薬工業協会 資料 p 4
医薬産業政策研究所 「新薬における創薬モダリティのトレンド-多様化/高分子化の流れと、進
化する低分子医薬-」主任研究員 高橋洋介

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