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資料1-1 早期導入を要望する医療機器(放射性ビーズ(No. 2016-2))の品目追加に関する要望書 (15 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32363.html
出典情報 医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会(第35回 3/31)《厚生労働省》
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IV, 推奨度 B)。
治療の選択においては、それぞれの患者における腫瘍の進展やパターン及び各施設の専門知識に基づき行われる必
要がある(エビデンスレベル V, 推奨度 C)。
切除可能な肝転移を有する患者において当該病変の切除の代替として局所治療を行っても良い(エビデンスレベル V,
推奨度 C)。

6. 対象疾患に関する情報
肝臓に生じる悪性腫瘍には、肝臓を構成する細胞を素地とする原発性肝癌と、肝臓以外の臓器に発生した癌からの転移により生じる転移性肝癌がある。
原発性肝癌の場合には、癌が肝に留まっている可能性があるため、肝の癌病巣に対する効果的な治療により治癒する可能性があり、転移性肝癌の場合
にも、しばしば肝転移が予後規定因子になること、大腸癌に見られるように、肝転移に対する効果的な治療により予後が大きく改善する可能性がある
ことより、肝病巣に対する局所療法が行われる場合が多い。なお、原発性肝癌の患者数は約 4.5 万人と推定される。転移性肝癌については信頼に足る
データがなく、正確な罹患数は不明であるものの、肝病巣に対する治療が臨床上重大な意味をもつ患者は少なくとも年間 15 万人と推定される。原発
性、転移性を問わず、肝癌には様々な治療法が存在する(「6.既存の治療方法と問題点」参照)
。しかしながら、それぞれの治療法には限界があり、こ
れらの治療が不適、あるいは不応の症例の予後は確実に肝病巣の悪化による死亡である。なお、具体的に最も多いと予測される症例は、原発性肝癌に
おいては静脈や門脈への浸潤を伴うために肝動脈化学塞栓術(TACE)が適応とならない症例や、転移性肝癌においては切除やラジオ波凝固療法の適
応とならず、かつ化学療法が奏功しない症例等である。この様な症例は、積極的な治療が中断され、症状緩和を中心とした対症療法(BSC; ベストサ
ポーティブケア)に移行せざるを得ない場合がある。しかしながら、原発性肝癌や転移性肝癌の一部は、肝内の腫瘍の増悪を制御することで予後の延
長が見込まれることが知られており、この様な肝内病変が予後規定因子となり得る患者に対し、当該治療オプションを提供することは臨床的な意義が
大きいと考えられる。

7. 既存の治療方法と問題点(再掲)
既存の治療方法とその問題点を以下に示す。なお、本申請品目の要望する対象疾患は、これらの治療が不応、あるいは不適の症例である。
1) 外科的手術
腹腔鏡手術の普及などにより低侵襲化が進んでいるが、全身麻酔下で施行されるため、患者の侵襲性は高い。また、適応が原則として治癒が狙え
る範疇での進行度に留まること、侵襲の程度から患者の全身状態や各種臓器機能が一定以上であることが必須とされるため、対象が限定される。

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