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【資料1】次世代医療機器評価指標について (23 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32218.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 医療機器・体外診断薬部会(令和4年度第10回 3/27)《厚生労働省》
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(別添1)
次世代型高機能人工心臓の臨床評価のための評価指標
1.はじめに
心不全の治療対象患者は世界的にみても増加しており、薬物治療に代わる不可逆性重
症心不全に対する治療法としては心臓移植が依然として重要な治療手段であるが、その
中で補助人工心臓 (VAS あるいは VAD)の役割は年々増加してきている。また、その臨床
への適用方法として、心臓移植までの補助である Bridge to Transplantation (BTT)の
みならず心機能改善までの補助としての Bridge to Recovery (BTR)、さらに海外では
長期生命維持を目的とする Destination Therapy (DT)という概念も登場してきている。
このような状況下、人工心臓の開発は新たな時代に入り、長期補助に必須な植込み型や
駆動装置の小型化、定常流ポンプなどが相次いで開発されてきている。
しかし、このような革新的な医療機器のわが国の開発及び臨床応用の状況は、各種要
因により迅速かつ臨床のニーズにあったものとはいいがたい状況である。このような状
況を踏まえ、人工心臓について科学的根拠を基盤にした品質、有効性及び安全性の評価
を、適正かつ迅速に進めるために、特に臨床評価に関し、本評価指標を作成した。
2.本評価指標の対象
本評価指標は、人工心臓の最近の開発状況を踏まえ、心臓移植への Bridge のみなら
ず、 Bridge to Recovery あるいは Destination Therapy など比較的長期の生命維持と
高い QOL の維持を目的とする以下の人工心臓を対象とする。
・植込み型補助人工心臓(遠心ポンプ、軸流ポンプなどの回転型、あるいは拍動流型
など。電池及びコントローラーが体外。

・完全植込み型補助人工心臓(体外に電池と経皮エネルギー伝送装置を設置するのみ
で他のシステムは全て体内に植込まれる)
・完全植込み型完全人工心臓(心臓を切除して人工心臓を接続し両心機能を完全に代
行し、電池と経皮伝送装置以外は全て体内に植込まれる人工心臓。なお、TAH を示
す日本語については、
「完全人工心臓」以外にも「完全置換型人工心臓」、「全置換
型人工心臓」
、「全人工心臓」、
「置換型人工心臓」と呼称されることがあるが、本報
告書では「完全人工心臓」に統一する。

3.指標の位置づけ
本評価指標は、技術開発の著しい高機能人工心臓を対象とするものであることを勘案
し、問題点、留意すべき事項を網羅的に示したものではなく、現時点で考えられる点に

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