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資料4-1_ワクチンの流通情報の基盤整備に向けた検討会 報告書(案) (7 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24100.html
出典情報 ワクチンの流通情報の基盤整備に向けた検討会(第3回 2/25)《厚生労働省》
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第2章

ワクチンの偏在や不足に関する主な事例とワクチ

ン流通情報モニタリングの必要性
ワクチンの偏在や不足に関する問題は過去から繰り返し生じていた(図表 2-1)
。も
しワクチンの流通情報のモニタリングが行われていれば、事態の悪化を防ぐととも
に、ワクチンの偏在や不足又はそれらに伴って生ずる悪影響を早期に改善できた事例
は少なからずあったと考えられる。
2017 年から 2018 年にかけて発生した日本脳炎ワクチンの不足に係る事例を取り上
げる。日本脳炎ワクチンについては、2016 年 4 月から、それまで定期接種が実施され
ていなかった北海道において日本脳炎ワクチンの定期接種が実施されることとなった
ことに加え、9歳に達した者に対して第2期の積極的な勧奨が再開された。一方で、
日本脳炎ワクチンの製造販売業者の1つであった一般財団法人化学及び血清療法研究
所2(以下「化血研」という。
)の工場が 2016 年 4 月に発生した熊本地震により被災し
た。工場の稼働が止まって日本脳炎ワクチンが一定期間供給されない見込みであった
ものの、上記のワクチン接種の需要を適切に見込むことができないまま、当初、化血
研は日本脳炎ワクチンの安定供給が引き続き可能であるという発表を行い、厚生労働
省もその発表を受けて日本脳炎ワクチンが不足しない旨を発表した。しかしながら、
2017 年 5 月に、化血研は、日本脳炎ワクチンの供給に関する情報を更新し、一定期
間、供給がなされない見込みを公表した。その後、2017 年 11 月に、厚生労働省は、
各都道府県に対し、日本脳炎ワクチンの円滑な流通に役立ててもらうため、特例的な
対応として、日本脳炎ワクチンの納入実績を月別に整理した情報を提供することとし
たが、対応は後手に回っていた。2018 年 1 月に、化血研が日本脳炎ワクチンの供給を
再開する見込みであることを公表したが、2017 年 4 月から 8 月までの第1期の初回予
防接種実施率が前年同時期に比べて約 8.5%低下した。日本脳炎ワクチンの流通量等を
モニタリングできていれば、第 1 期分の需要を賄えるのか把握することが可能となる
ため、第 2 期の接種対象者より優先して第 1 期の接種対象者に接種を行うなどの措置
を講じることによって、第 1 期の初回予防接種実施率の低下を回避することができた
可能性もある。

2

化血研の事業は、2018 年に KM バイオロジクス株式会社に譲渡された。

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