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資料1-2 アムロジピンベシル酸塩 調査結果報告書及び添付文書 (50 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29305.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和4年度第19回 11/22)《厚生労働省》
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老年高血圧症患者
単回投与時
Cmax(ng/mL)
Tmax(hr)
T1/2(hr)
AUC(ng・hr/mL)

b)

4.24±0.08
7.2±0.49
37.5±6.0
116.9±8.4b)

18.4 抗狭心症作用

若年健康成人

反復投与時
a)

14.9±2.2
8.0±1.8
47.4±11.3


単回投与時

反復投与時

2.63±0.35
6.7±0.42
27.7±4.6
63.2±5.5

7.51±0.32
8.0±0.7
34.7±2.7


アムロジピンは麻酔モルモットでのセファデックス冠動脈塞栓による心筋虚
血性ST上昇を抑制した。また、摘出ラット心臓において、虚血/再灌流時の
心筋保護作用を調べた結果、アムロジピン投与群では対照群に比べて心収縮
力の回復が促進され、組織内Ca2+量の増加が抑制された。組織内ATP量及び
クレアチンリン酸量の回復も促進され、心筋保護作用が示された。

Mean±S.E.、AUC:0~48時間値
a)
p<0.05、b)p<0.01(vs健康者)

ネコ血液灌流摘出心臓において、左室dp/dt及び左室収縮期圧は低下し、心
筋酸素消費量も減少した31~33)。

17. 臨床成績

19. 有効成分に関する理化学的知見

17.1 有効性及び安全性に関する試験

一般的名称:アムロジピンベシル酸塩(Amlodipine Besilate)

〈高血圧症〉

化学名:3-Ethyl 5-methyl
(4RS )-2-[(2-aminoethoxy)methyl]-4-

17.1.1 国内臨床試験

(2-chlorophenyl)-6-methyl-1,4-dihydropyridine-3,5-dicarboxylate

本態性高血圧症に対する有効率(「下降」以上、判定不能例は除く)は85.8%

monobenzenesulfonate

(467/544例)であり、二重盲検比較試験によっても本剤の有用性が認められ

分子式:C20H25ClN2O5・C6H6O3S

た12~15)。また、腎障害を伴う高血圧症に対しては80.0%(28/35例)、重症高

分子量:567.05

血圧症に対しては88.9%(8/9例)の有効率を示した16,17)。

性状:アムロジピンベシル酸塩は白色~帯黄白色の結晶性の粉末である。メタ

17.1.2 国内第Ⅲ相試験

ノールに溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくく、水に溶けにくい。

アムロジピンとして5mgを1日1回8週間投与後に、収縮期血圧が140mmHg以

メタノール溶液(1→100)は旋光性を示さない。

上を示す患者305例を二群に分けて、アムロジピンとして10mg又は5mgを1

化学構造式:

日1回8週間投与したときの収縮期血圧のベースラインからの変化量の平均値
は、10mg群で13.7mmHgの低下、5mg群で7.0mmHgの低下であり、両群間
に統計的に有意な差がみられた。
臨床検査値異常を含む副作用の発現率は、5mg 群では3.9%(6/154例)に、

H

10mg群では9.9%(15/151例)に認められた。高用量(10mg)投与時に浮腫
18)

が高い頻度で認められ、
5mg 群で0.6%、
10mg群で3.3%であった [
。11.2参照]
さらに、継続試験として実施した長期投与試験でアムロジピンとして10mgを
1日1回通算して52週間投与した際、収縮期血圧のベースラインからの変化量

融点:約198℃(分解)

の平均値は、15.6mmHgの低下を示した。

20. 取扱い上の注意

臨床検査値異常を含む副作用の発現率は24.6%(33例)に認められた。主な

〈OD錠〉

19)

副作用は浮腫10.4%、めまい・ふらつき3.0%等であった 。

20.1 アルミピロー開封後は湿気を避けて保存すること。

〈狭心症〉

20.2 瓶の開封後は湿気、光を避けて保存すること。

17.1.3 国内臨床試験
狭心症に対する有効率(「改善」以上、判定不能例は除く)は74.0%(108/146

22. 包装

例)であった。病型別の有効率は労作性狭心症82.0%(73/89例)、労作兼安

〈ノルバスク錠2.5mg〉

静狭心症61.4%(35/57例)であった20~23)。

100錠[10錠(PTP)×10]、500錠[10錠(PTP)×50]、700錠[14錠(PTP)

〈効能共通〉

×50]、1,000錠[10錠(PTP)×100]、500錠(瓶)

17.1.4 国内臨床試験

〈ノルバスク錠5mg〉

アムロジピンベシル酸塩錠を投与した高齢者(70歳以上)における高血圧症

100錠[10錠(PTP)×10]、500錠[10錠(PTP)×50]、700錠[14錠(PTP)

に対する有効率は86.5%(45/52例)、狭心症に対する有効率は82.8%(24/29例)

×50]、1,000錠[10錠(PTP)×100]、500錠(瓶)

であった。

〈ノルバスク錠10mg〉

副作用の発現率は3.8%(5/133例)、
臨床検査値異常は3.0%(4/133例)であっ

100錠[10錠(PTP)×10]、500錠[10錠(PTP)×50]
、500錠(瓶)

た。主な副作用はめまい、ふらつきであり、臨床検査値の変動はAST、ALT

〈ノルバスクOD錠2.5mg〉

及びAl-Pの上昇等であった。

100錠[10錠(PTP、乾燥剤入り)×10]、500錠[10錠(PTP、乾燥剤入り)

17.3 その他

×50]、700錠[14錠(PTP、乾燥剤入り)×50]、1,000錠[10錠(PTP、乾

17.3.1 糖代謝に及ぼす影響

燥剤入り)×100]、500錠(瓶、乾燥剤入り)

糖尿病を合併する本態性高血圧症患者43例(39歳以下又は70歳以上)にアム

〈ノルバスクOD錠5mg〉

ロジピンベシル酸塩錠1日1回2.5~5mg(一部の症例には7.5mgまで増量)を

100錠[10錠(PTP)×10]、500錠[10錠(PTP)×50]、700錠[14錠(PTP)

12週間投与しても糖代謝にはほとんど影響を与えなかった24)。

×50]、1,000錠[10錠(PTP)×100]、500錠(瓶、乾燥剤入り)
〈ノルバスクOD錠10mg〉

18. 薬効薬理

100錠[10錠(PTP)×10]、500錠[10錠(PTP)×50]、500錠(瓶、乾燥剤入り)

18.1 作用機序
細胞膜の膜電位依存性カルシウムチャンネルに特異的に結合し、細胞内への

23. 主要文献

Ca2+の流入を減少させることにより、
冠血管や末梢血管の平滑筋を弛緩させる。

1) 堀本政夫ほか:応用薬理. 1991;42(2):167-176

カルシウム拮抗作用の発現は緩徐であり、持続的である。また、心抑制作用

2) Naito, T. et al. :J Hum Lact. 2015;31(2):301-306

25,26)

は弱く、血管選択性が認められている



3) 桑島

18.2 降圧作用

巌ほか:Geriatric Medicine. 1991;29(6)
:899-902

4) Laine, K. et al. :Br J Clin Pharmacol. 1997;43(1)
:29-33

各種高血圧病態モデル(高血圧自然発症ラット、腎性高血圧イヌ)において、

5) 社内資料:健康成人におけるアムロジピン10mg単回投与時の安全性と薬物

単回投与で血圧下降の発現が緩徐で作用持続時間が長いことが認められてお

動態

り、連続投与でも耐性の発現しないことが認められている。また、麻酔又は

6) 中島光好ほか:臨床医薬. 1991;7(7):1407-1435

無麻酔イヌにおいてアムロジピン投与により大腿動脈、冠動脈及び椎骨動脈

7) 浦江隆次ほか:薬理と治療. 1991;19(7):2933-2942

の血流量は持続的に増加し、血圧の下降及び全末梢血管抵抗の持続的な減少

8) Beresford, A. P. et al.:Xenobiotica. 1988;18(2)
:245-254

が認められた27,28)。

9) 社内資料:主要代謝物及び分解物の薬理作用

18.3 高血圧に伴う心血管障害への作用

10)足立幸彦ほか:薬理と治療. 1991;19(7):2923-2932

食塩感受性Dahlラットにアムロジピンを10週間以上連続投与することによ

11)Flynn, JT. et al.:J Clin Pharmacol. 2006;46:905-916

り、加齢に伴う血圧上昇及び腸間膜動脈の石灰沈着、フィブリン沈着等の血

12)増山善明ほか:薬理と治療. 1991;19(7):2853-2871

管病変が抑制された。

13)増山善明ほか:薬理と治療. 1991;19(7):2873-2893

脳卒中易発症高血圧ラットにアムロジピン3mg/kg/日を連続投与することに

14)増山善明ほか:薬理と治療. 1991;19(7):2895-2908

より、血圧上昇の抑制及び延命効果が認められた。また、心筋の線維化、腎

15)増山善明ほか:臨床評価. 1991;19(2):213-241

の増殖性動脈炎、糸球基底膜肥厚、尿細管萎縮等の病変の発生も明らかに抑

16)猿田享男ほか:薬理と治療. 1993;21(2):505-526

制された29,30)。

17)山田和生ほか:薬理と治療. 1991;19(8):3189-3203

4

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