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04資料1-2 9価 HPV ワクチンの定期接種化に係る技術的な課題についての議論のまとめ (3 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000192554_00024.html
出典情報 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会(第49回 10/4)《厚生労働省》
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2007 年頃から HPV ワクチンが導入された北米、北欧、オーストラリアなどでは、ワク
チン接種世代において子宮頸部前がん病変の減少が一致して観察され、子宮頸がんの減
少も観察され始めている。2020 年 10 月 27 日現在、WHO 全加盟国(194 か国・地域)の
うち、110 か国(57%)
、及び WHO 非加盟国の 21 の国と地域(2019 年 12 月現在)で HPV
ワクチンが国の予防接種スケジュールに導入されている。

3.本委員会における議論のまとめ
○ 定期接種化の是非について検討を要する論点
(1) 接種の目的について
<小委員会での議論のポイント>
○ 9価 HPV ワクチンは、2価・4価より多くの HPV 遺伝子型を標的としており、子宮頸
がん及びその前がん病変の罹患率の減少、子宮頸がんの死亡率の減少が期待される。
 9価 HPV ワクチンは、子宮頸がんの発生に関連する HPV のうち9種類の遺伝子型
へのウイルス様粒子を有効成分として含有し、従来の2価・4価 HPV ワクチンよ
り多くの HPV 遺伝子型を標的として HPV 感染を予防するため、子宮頸がん及びそ
の前がん病変の罹患率を減少させ、子宮頸がんの死亡率を減少させる。
 細胞診による子宮頸がん検診は病変の早期発見に有効だが、子宮頸管の奥から発
生する病変は検出感度が低い。HPV ワクチンによる HPV 感染の予防は、子宮頸が
ん検診の弱点をカバーし、罹患率の減少効果を期待できる。


なお、HPV は性交渉を介して感染することから、思春期女子で接種を行うことが重要である。一方、HPV 感染から

子宮頸がんの発症まで通常 10 年以上の時間がかかることから、罹患率の減少効果を確認するには高いワクチン接種率
の維持が必要である。

(2) 疾病負荷の大きさ(疾病の蔓延状況、重症度)について
<小委員会での議論のポイント>
○ 日本の女性の罹患率は 20 歳代で最多、30 歳代で2番目に多い。
○ 年齢調整罹患率・死亡率は、諸外国が減少している中、日本は高い水準にある。
 子宮頸がんの 96%は、HPV 感染に起因することが示唆されている。
 我が国の子宮頸がんの罹患者数は年間 11,012 例(2017 年全国がん登録)、死亡者
数は 年間 2,871 人(2018 年人口動態統計)と報告されている。罹患率は、20 歳
代後半から 40 歳代がピークである。女性のがん全体の3%であるが、20 歳代で
は最多、30 歳代では乳がんに次いで多い。早期治療が可能な前がん病変である
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