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【資料1】日本薬局方部会について (61 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28006.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会(令和4年度第4回 9/16)《厚生労働省》
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的強度は結晶学的な単位格子の内容(原子の種類と位置)

的強度は結晶学的な単位格子の内容(原子の種類と位置)

に依存し,回折線形状は結晶格子の完全性や結晶の大き

に依存し,回折線形状は結晶格子の完全性や結晶の大き

さに依存する.これらの条件の下で,回折ピーク強度は, さに依存する.これらの条件の下で,回折ピーク強度は,
原子配列,原子の種類,熱運動及び構造の不完全性や測

原子配列,原子の種類,熱運動及び構造の不完全性や測

定装置特性などにより決められる.回折強度は構造因子, 定装置特性などにより決められる.回折強度は構造因子,
温度因子,偏光因子,多重度因子,ローレンツ因子,及

温度因子,結晶化度,偏光因子,多重度因子,ローレン

び微小吸収因子などの多くの因子にも依存する.回折パ

ツ因子などの多くの因子に依存する.回折パターンの主

ターンの主要な特徴は,2θ の位置,ピーク高さ,ピーク

要な特徴は,2θの位置,ピーク高さ,ピーク面積及びピ

面積及びピーク形状(例えば,ピークの幅や非対称性,あ

ーク形状(例えば,ピークの幅や非対称性,あるいは解析

るいは解析関数や経験的な表現法などにより示される)

関数や経験的な表現法などにより示される)である.ある

である.ある物質の異なる五つの固体相で認められた粉

物質の異なる五つの固体相で認められた粉末X線パター

末X線パターンの例を図2.58-2に示す.

ンの例を図2.58-2に示す.

図2.58-2 ある物質の異なる五つの固体相で認めら
れた粉末X線パターン(結晶形A-Dの強度は規格化し
てある)※図は省略

図2.58-2 ある物質の異なる五つの固体相で認めら
れた粉末X線パターン(強度は規格化してある) )※
図は省略

粉末X線回折測定では回折ピークに加えてある程度の

粉末X線回折測定では回折ピークに加えてある程度の

バックグラウンドが発生し,ピークに重なって観察され

バックグラウンドが発生し,ピークに重なって観察され

る.試料調製方法に加え,試料ホルダー,空気,試料及

る.試料調製方法に加え,試料ホルダーなど装置及び空

び装置による散漫散乱や,検出器のノイズ,X線管から発

気による散漫散乱や,検出器のノイズ,X線管から発生す

生する連続X線など,装置側の要因もバックグラウンドの

る連続X線など,装置側の要因もバックグラウンドの原因

原因となる.バックグラウンドを最小限にし,照射時間

となる.バックグラウンドを最小限にし,照射時間を延

を延長することによってピーク対バックグラウンド比を

長することによってピーク対バックグラウンド比を増加

増加させることができる.

させることができる.

2. 装置

2. 装置

2.1. 装置の構成

2.1. 装置の構成

粉末X線回折測定は,通例,粉末回折計か粉末カメラを

粉末X線回折測定は,通例,粉末回折計か粉末カメラを

用いる.粉末回折計は,一般的に五つの主要な部分から

用いる.粉末回折計は,一般的に五つの主要な部分から

構成されている.それらはX線源,入射光の単色化,平行

構成されている.それらはX線源,ビームの単色化,平行

化や集束のための光学系,ゴニオメーター,回折光の単

化や集束のための入射光に関わる光学系,ゴニオメータ

色化,平行化や集束のための光学系及び検出器から構成

ー,ビームの平行化や集束のための回折光に関わる光学

される.別にX線回折測定装置には,通例,データの収集

系及び検出器から構成される.別にX線回折測定装置に

及びデータ処理システムが必要であり,これらは装備さ

は,通例,データの収集及びデータ処理システムが必要

れている.

であり,これらは装備されている.

相の同定,定量分析,格子パラメーターの測定など,

相の同定,定量分析,格子パラメーターの測定など,

分析目的に応じて,装置の異なる配置や性能レベルが必

分析目的に応じて,装置の異なる配置や性能レベルが必

要となる.粉末回折パターンを測定するための最も簡単

要となる.粉末回折パターンを測定するための最も簡単

な装置は粉末カメラである.通例,写真フィルムにより

な装置は粉末カメラである.通例,写真フィルムにより

検出するが,光子検出器が組み込まれたブラッグ-ブレ

検出するが,光子検出器が組み込まれたブラッグ-ブレ

ンターノ集中法光学系が開発されている.ブラッグ-ブ

ンターノ擬似集中法光学系が開発されている.ブラッグ

レンターノ集中法光学系は現在広く使用されているの

-ブレンターノ集中法光学系は現在広く使用されている

で,以下に簡潔に記載する.

ので,以下に簡潔に記載する.

装置の配置は,水平又は垂直なθ/2θの配置,若しくは

装置の配置は,水平又は垂直なθ/2θの配置,若しくは

垂直なθ/θの配置とすることができる.いずれの配置に

垂直なθ/θの配置とすることができる.いずれの配置に

おいても,入射X線ビームは試料面とθの角度をなし,回

おいても,入射X線ビームは試料面とθの角度をなし,回

折X線ビームは試料面とはθの角度をなすが,入射X線ビ

折X線ビームは試料面とはθの角度をなすが,入射X線ビ

ームの方向とは2θ の角度をなす.基本配置の一例を図

ームの方向とは2θの角度をなす.基本配置を図2.58-3

2.58-3に示す.X線管から放射された発散ビーム(一次ビ

に示す.X線管から放射された発散ビーム(一次ビーム)は

ーム)はソーラースリットと発散スリットを通過し,平ら

平行板コリメーターと発散スリットを通過し,平らな試

な試料面に入射する.試料中の適切に配向している微結

料面に入射する.試料中の適切に配向している微結晶に

晶により,2θの角度に回折された全てのX線は,受光ス

より,2θの角度に回折された全てのX線は,受光スリッ

リットの一本の線に集束する.二組目のソーラースリッ

トの一本の線に集束する.二組目の平行板コリメーター

トと散乱スリットは,受光スリットの前か後のいずれか

と散乱スリットは,受光スリットの前か後のいずれかに

に設置される.受光スリットは,通例,0次元検出器が用

設置される.X線管の線焦点軸と受光スリット軸はゴニオ

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備考