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【資料No.1】2.4_非臨床試験の概括資料 (15 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26901.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会(令和4年度第3回 7/20)、医薬品第二部会(令和4年度第6回 7/20)(合同開催)《厚生労働省》
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S-217622

2.4 非臨床の概括評価

た (2.6.4.5.2.1 項及び 2.6.4.6.1.1 項参照).ラット血漿中では,主に未変化の S-217622 が検出さ
れ,代謝物として S-217622 indazole 4-Cl (M6) と S-217622 triazole N-desmethyl (M4) が検出され
た.ラット尿中では S-217622 triazole N-desmethyl (M4) が主代謝物として検出され,ラット胆汁
中 で は S-217622 triazole N-desmethyl (M4) 及 び M18 (glutathione conjugate of oxidized and
defluorinated S-217622,推定) が主代謝物として検出された (2.6.4.5.2.1 項参照).また,未変化
の S-217622 は,サル尿及び胆汁中にそれぞれ投与量の 0.8%及び 4.9%が排泄されており,尿中
排泄 (ケージ洗浄液を含む) 及び胆汁中排泄率の和から推定される吸収率 (約 74%) に対して
1/10 程度であった (2.6.4.5.2.3 項及び 2.6.4.6.2 項参照).サル血漿中では,主に未変化の S-217622
が検出され,代謝物として S-217622 indazole 4-Cl (M6) と S-217622 triazole N-desmethyl (M4) が
検出された.サル尿中では,S-217622 triazole N-desmethyl (M4) が主代謝物として検出され,サ
ル胆汁中では M2 (glucuronide of oxidized S-217622,推定),M11 (glucuronide of oxidized S-217622
indazole N-desmethyl,推定),S-217622 triazole N-desmethyl (M4),M9 (cysteine conjugate of oxidized
and deflurorinated S-217622,推定) が主代謝物として検出された (2.6.4.5.2.3 項参照).
これらの結果より,
体内に吸収された S-217622 は主に代謝を経て体外へと排泄され,S-217622
の主な代謝経路は,脱メチル化,酸化及び脱フルオロ化と,それに続くグルクロン酸やグルタ
チオンなどの抱合化及びクロル化と考えられた.また,ヒト肝細胞及びヒト第 1 相試験試料で
検出された主要な代謝物はいずれも,ラット及びサルの肝細胞並びに in vivo 試験試料中で検出
されていることから,
ヒト特異的代謝物はなく,
S-217622 由来成分の血漿中総曝露に対して 10%
を超える曝露を示す代謝物はないと判断した (2.5.3.1.2.3 項参照).
In vitro 薬物動態学的薬物相互作用試験の結果,S-217622 は P 糖タンパク質 (P-gp) 及び乳が
ん耐性タンパク質 (BCRP) の基質であることが示された (2.6.4.7.1 項参照).本邦の薬物相互作
用ガイドライン [7],FDA ガイダンス [8] 及び EMA ガイドライン [9] に従い,S-217622 の血
漿中濃度への影響を検討したところ,P-gp 及び BCRP 阻害剤あるいは誘導剤は,S-217622 の血
漿中濃度に影響を及ぼす可能性が示された.また,S-217622 の代謝には CYP3A を含む複数の
代謝酵素が関与しているものの,その中では CYP3A の寄与が比較的大きいと考えられること
から,S-217622 を CYP3A の強い誘導剤と併用したときには,S-217622 の血漿中濃度が低下し,
有効性の低下につながる可能性が示された.一方で,S-217622 の代謝には複数の代謝酵素が関
与しており,単一の酵素が阻害されても他の酵素によって代謝されることから,CYP3A 等の単
一代謝酵素の阻害剤が S-217622 の血漿中濃度の上昇に及ぼす影響の程度は小さいと考えられ
た.
また,S-217622 は CYP2C8 及び CYP3A の阻害作用 (2.6.4.5.4.2 項参照),CYP1A2,CYP2B6,
CYP3A,CYP2C8,CYP2C9 及び CYP2C19 の誘導作用 (2.6.4.5.4.1 項参照),P-gp,BCRP,有機
アニオントランスポーターポリペプチド (OATP) 1B1,OATP1B3,有機アニオントランスポー
ター (OAT) 1,OAT3,有機カチオントランスポーター (OCT) 1,OCT2,multidrug and toxin
extrusion (MATE) 1 の阻害作用を持つことが示された (2.6.4.7.2 項参照).
これらの結果を踏まえ,
本邦の薬物相互作用ガイドライン [7],FDA ガイダンス [8] 及び EMA ガイドライン [9] に従
い,申請用法用量である 375/125 mg (投与 1 日目のみ 375 mg,その後投与 2~5 日目に 125 mg
投与の 1 日 1 回反復投与) 投与 5日目の Cmax 及び血清タンパク結合率を基に,S-217622 が各基
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