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【資料No.1】2.4_非臨床試験の概括資料 (10 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26901.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会(令和4年度第3回 7/20)、医薬品第二部会(令和4年度第6回 7/20)(合同開催)《厚生労働省》
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S-217622

2.4 非臨床の概括評価

S-217622 フマル酸共結晶の PK パラメータは,時間 0 から投与後 48 時間までの血漿中濃度-時
間曲線下面積 (AUC0-48hr),初回投与から 48 時間後の血漿中濃度 (C48hr) 及び目標を超える血漿
中濃度を維持する時間 (TimeHigh) (5 × PA-EC50,10 × PA-EC50) であった.血漿中濃度の維持に関
連している C48hr/PA-EC50,TimeHigh (5 × PA-EC50,10 × PA-EC50) が肺内ウイルス力価の低下とよ
く相関していることから,SARS-CoV-2 感染 24 時間後に投与開始したマウス感染モデルでは,
抗 SARS-CoV-2 活性を発揮するために必要な S-217622 フマル酸共結晶の血漿中濃度を,投与期
間を通じて維持することが肺内ウイルス力価を低下するために重要であることが示唆された.
本マウスモデルにおける PK/PD 解析結果から,初回投与から 48 時間後の肺内ウイルス力価を
1 log10,2 log10 及び 3 log10 50%組織細胞感染価 (TCID50) /mL 低下させるために必要な
C48hr/PA-EC50 はそれぞれ,0.769,3.78 及び 14.7 であった (表 2.4.2-1).VeroE6/TMPRSS2 細胞か
ら求めたマウス PA-EC50 (2090 ng/mL [3.93 µmol/L]) を用いて計算すると,肺内ウイルス力価を
1 log10,2 log10 及び 3 log10 TCID50/mL 低下させるために必要な C48hr は,それぞれ,1610,7900
及び 30700 ng/mL と算出された.また,VeroE6/TMPRSS2 細胞から求めたヒト PA-EC50 (1610
ng/mL [3.02 µmol/L]) を用いて計算した場合,ヒトにおいてウイルス力価を 1 log10,2 log10 及
び 3 log10 TCID50/mL 低下させるために必要な血漿中濃度は,それぞれ,1240,6090 及び
23700 ng/mL と推定された.
申請用法用量 (375/125 mg [投与 1 日目のみ 375 mg,その後投与 2~5 日目に 125 mg 投与の
1日 1 回反復投与]) におけるヒトの C24hr は 14000~17700 ng/mL (2.5.3.1.1 項参照) であり,マウ
ス感染モデルにおける 2 log10 TCID50/mL の肺内ウイルス力価低下と同等以上の効果が期待で
きる.

表 2.4.2-1

マウスへの感染 24 時間後投与時の初回投与から 48 時間後の肺内ウイルス力
価低下と C48hr/PA-EC50 の関係性

Virus titer reduction a

C48hr/PA-EC50

1 log10 TCID50/mL

0.769

2 log10 TCID50/mL

3.78

3 log10 TCID50/mL

14.7

a Virus titer reduction by 1 log10, 2 log10, and 3 log10 TCID50/mL compared to the mean virus titer of the vehicle treatment
group 48 hours after the first administration of S-217622 fumaric acid in the mouse model

hAEC を用いた検討では SARS-CoV-2 感染 3 日後に気相側に培地を添加し,回収した培地中
に 含 ま れ る ウ イ ル ス 量 を 指 標 と し た S-217622 フ マ ル 酸 共 結 晶 の EC90 は 0.117 μmol/L
(62.3 ng/mL) であり,VeroE6/TMPRSS2 細胞から求めたヒト血清の potency shift を掛け合わせた
PA-EC90 は 0.702 μmol/L (374 ng/mL) であった.
申請用法用量におけるヒトの C24hr は 14000~17700 ng/mL (2.5.3.1.1 項参照) であり,hAEC の
PA-EC90 を十分に (> 37 倍) 超えていた.

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