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ヒアリング資料9(書面) きょうされん (7 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_66997.html
出典情報 障害福祉サービス等報酬改定検討チーム(第50回 12/11)《厚生労働省》
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(5)福祉・処遇改善加算は、基本報酬に組み込むべきである。
第47回障害福祉サービス等報酬改定検討チームで配布された「資料3.令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況調査結果の概要」では、以下の
福祉・介護職員等処遇改善加算の取得状況を報告した。福祉・処遇改善加算(以下、処遇改善加算)は、2024年6月から一本化し、全体の取得率は
87.0%と従前の制度より取得率は伸びた(図表7参照)。
処遇改善加算は、利用者一人ひとりの報酬月額(基本、加算含む)に加算率が掛けられ算定される。加算率は事業種別で差異があり、加算Ⅰ~Ⅴにか
けて加算率が低くなる。厚労省は、加算Ⅰ~Ⅴまでの取得率を合算すると、各福祉事業の取得率は80~90%台となり、全体の取得率が87.0%となったこ
とを評価した。ところが、厚労省の公表した図表7によって、処遇改善加算の問題点が浮き彫りになった。
事業種別でみると、施設入所支援が97.5%でもっとも取得率が高い。つまり大規模な事業所ほど加算を取得しやすいのである。それは加算Ⅰ~Ⅴの取
得率をみると、さらに明確になる。もっとも加算率の高い「加算Ⅰ」では、施設入所支援が79.7%ともっとも多い。それに対して、「加算Ⅰ」を取得している居
宅介護は31.1%、重度訪問介護が26.3%、生活介護が57.4%、就労継続支援A型が42.5%、就労継続支援B型が50.8%、グループホームが40.9%という
ように、半数もしくは半数以下にとどまっている。一方、未取得率では、居宅介護が17.7%、就労継続支援A型が13.8%、就労継続支援B型12.7%、グルー
プホームが13.4%、全体では13.0%となっている。これら未取得の事業所は、処遇改善加算分の賃金が支払われていない。これには3つの要因がある。
第1は通所施設やグループホームにおける利用者定員規模である。きょうされんの「2024年度報酬改定の影響調査」で、通所事業所の利用者「20人以
下」と「21人以上」、グループホームの入居者「5人以下」と「6人以上」の取得率を比較すると、利用者定員規模の大きい方が「加算Ⅰ、Ⅱ」の取得率が高
かった(きょうされん「2024年度報酬改定の影響調査の結果」参照)。

図表7.福祉・介護職員等処遇改善加算の取得状況 (厚労省2025年3月27日公表)

第2には訪問系の「特定事業所加算」の取得未取得の影響である。これ
を取得しないと「加算Ⅰ」は取得できない。「特定事業所加算」は、すべての
登録ヘルパーの健康診断の実施、定められた研修の実施、支援会議の実
施と書面による情報提供を実施している事業所か否かなどで、取得未取得
が決まる。ある程度の人的財政的規模の事業所でないと「特定事業所加
算」を取得できないため、「加算Ⅰ」を取得している居宅介護が31.1%、重
度訪問介護が26.3%という結果になったといえる。
第3には、地域の最低賃金水準の影響である。訪問系も含めた通所施
設・グループホームすべての事業において、「加算Ⅱ」以上を取得するため
には、年収440万円以上の職員が一人以上いることが条件になっている。
たとえば沖縄で20人定員の就労継続支援B型の場合、常勤職員は1.5~2
人程度で、その他に非常勤が数人いるという運営体制となる。そうなると、
年収440万円の職員はいない。厚労省は、2025年2月から、「年収440万円
の職員がいない場合の弾力運用」を実施しているが、これも自治体の裁量
となるため、弾力運用にも格差が生じている。

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