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3 先進医療Bの総括報告書に関する評価について(別紙3-2)[1.8MB] (7 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00111.html
出典情報 先進医療会議(第149回 12/4)《厚生労働省》
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第180回先進医療技術審査部会

資料2-2

令和7年10月10日
先進医療審査の事前照会事項に対する回答1

先進医療技術名:タクロリムス経口投与療法 不妊症(卵管性不妊、男性不妊、機能性不妊又は一般不
妊治療が無効であるものであって、これまで反復して着床又は妊娠に至っていない患
者に係るものに限る。)
2025 年 8 月 29 日
所属・氏名: 国立成育医療研究センター・山口晃史

1.報告書では
〇 先行研究では、明らかな原因を認めない不妊症例のうち、過去に 4 回以上形態良好な卵を用い
た胚移植を行っても妊娠に至らない着床障害の患者 25 名に対しタクロリムスを胚移植前後 16 日間
(移植前 2 日、移植後 14 日)投与し、60%の患者が妊娠、その中の 94%の患者が満期産で健常生
児を得た。一方、タクロリムスを使用しなかった患者 17 例は 0%の妊娠率であった。
〇 タクロリムスの有効性を検討した先行研究で無治療群の生化学的妊娠は 17 人中 0 人であった。
これにより、無治療の場合の生化学的妊娠はせいぜい 5.6%(1/18)と考え、対照の値を 5%と設定し
た。
などを根拠に今回のタクロリムスの有用性を証明しておられます。この研究計画はすでに承認され
ており、この結論に対して異論はありません。しかし、PGT-A のない時代の多数回妊娠不成立事例
に対する後方視的研究によると、3 回胚移植不成功患者の 4 回目の臨床的妊娠率は 20%程度、と
読めます(参考文献1)~3))。今回のタクロリムス投与群の成績はこの値よりもかなり高く、おそらく
有意なものと(母集団が異なりますので統計学的には難しいと思いますが)思います。もし、可能であ
れば何らかの優位性を示すことは可能でしょうか。また、本研究では比較対照の閾値を「無治療の
場合の生化学的妊娠はせいぜい 5.6%(1/18)と考え、対照の値を 5%」とかなり低く設定しておられま
す。この点についての見解はいかがでしょうか。
(参考文献)
1)Fang Y., et al. Impact of the number of previous embryo implantation failures on IVF/ICSI-ET pregnancy outcomes
in

patients

younger

than

40

years:

a

retrospective

cohort

study.

Front

Endocrinol

2023;

doi.org/10.3389/fendo.2023.1243402
2)Yovel I., et al. Analysis of the fourth to eighth in-vitro fertilization treatments after three previously failed attempts.
Hum Reprod 1994;9:738-741
3)Wang Y., et al. The number of previous failed embryo transfer cycles is an independent factor affecting implantation
rate in women undergoing IVF/ICSI treatment. A retrospective cohort study. Medicine 2021; 100:9
dx.doi.org/10.1097/MD.0000000000025034

【回答】
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