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2012-2015 年の 4 年間に診断された がんの5年生存率を公表 がん対策の立案・評価に有用な指標を作成 (4 ページ)

公開元URL https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2025/1119/2012-2015_5_MCIJ.pdf
出典情報 2012-2015 年の 4 年間に診断された がんの5年生存率を公表 がん対策の立案・評価に有用な指標を作成(11/19)《国立がん研究センター》
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主要部位で見ると、年齢階級による生存率の差は男では皮膚(1.9 ポイント)、結腸(9.9 ポイント)、乳
房(12.3 ポイント)、食道(13.8 ポイント)で小さく、白血病(54.9 ポイント)、脳・中枢神経系(47.2 ポイント)、
多発性骨髄腫(44.2 ポイント)で大きいことがわかった。女では皮膚(2.2 ポイント)、乳房(7.2 ポイント)、
結腸(15.4 ポイント)で小さく、白血病(54.2 ポイント)、多発性骨髄腫(53.2 ポイント)、卵巣(51.8 ポイント)、
脳・中枢神経系(50.2 ポイント)で大きいことがわかりました。


5 年純生存率年次推移 1993 年から 2015 年(図 2)
これまでの全国がん罹患モニタリング集計プロジェクトを 7 期間に区分し、主要 21 部位別に純生存率

を比較しました。第 1 期と第 7 期を比較して、男では、多発性骨髄腫(21.0 ポイント)、前立腺(34.9 ポイン
ト)、悪性リンパ腫(18.2 ポイント)において大きな生存率の向上がみられ、女では、悪性リンパ腫(21.6 ポ
イント)、多発性骨髄腫(15.5 ポイント)、肺(18.4 ポイント)、白血病(19.5 ポイント)において、同様の大き
な向上がみられました。一方、両性別ともに、膀胱は生存率が低下(10.6 ポイントおよび 5.9 ポイント)し
ており、さらに女では、子宮頸部でも低下(1.3 ポイント)がみられました。また、甲状腺、皮膚など、もとも
と生存率が高かった部位は大きな変化がみられないだけではなく、胆のう・胆管や、膵臓、女の口腔・咽
頭では大きな向上はみられず、依然として低い水準の生存率にとどまっていることが示されました。
生存率の経年変化は、治療方法や、早期診断割合、医療アクセスの変化など多くの要因に影響され
ます。がん生存率の変化を適切に解釈するには、がん登録情報を基盤として他の関連データも併せた
総合的な分析が必要です。
研究費
研究費名(支援先):厚生労働科学研究費補助金
研 究 事 業 名:がん対策推進総合研究事業
研 究 課 題 名:
がん統計を活用した、諸外国とのデータ比較に基づく日本のがん対策の評価のための研究
研究代表者名:松田 智大
用語の解説


地域がん登録
特定の地域に居住する住民で、がんと診断されたすべての患者を対象として登録するしくみ。対象
地域における各種がん統計値(罹患数・率、生存率)の整備を第1の目的とし、日本では 1951 年に
宮城県で開始され、2012 年に全 47 都道府県で実施されるに至りました。



全国がん登録
わが国でがんと診断されたすべての患者を対象として登録するしくみ。がんに関するデータの収
集・管理・分析を行い、がん対策やがん医療の研究を効果的に進めること役立てています。2013 年
に成立したがん登録推進法の施行に基づいて、2016 年診断症例からは、それまで都道府県・自治
体単位で実施されてきた地域がん登録から、「全国がん登録」に移行されています。



実測生存率
死因に関係なく、全ての死亡を計算に含めた生存率で、診断症例に対する何年後の生存患者の割
合で示されます。計算方法は複数存在しますが、Kaplan-Meier 法による実測生存率であることが多
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