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2012-2015 年の 4 年間に診断された がんの5年生存率を公表 がん対策の立案・評価に有用な指標を作成 (3 ページ)

公開元URL https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2025/1119/2012-2015_5_MCIJ.pdf
出典情報 2012-2015 年の 4 年間に診断された がんの5年生存率を公表 がん対策の立案・評価に有用な指標を作成(11/19)《国立がん研究センター》
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2012 年から 2015 年診断症例 5 年純生存率集計結果


5 年純生存率(図 1)
AYA・成人(15 歳以上)で男女計の 5 年純生存率は、胃 63.5%、大腸(直腸・結腸)67.2%、肝および肝

内胆管 33.7%、肺 35.5%、女性乳房 88.7%、子宮 75.9%、前立腺 94.3 でした。国際がん生存率標準 ICSS
で年齢調整した国際比較用数値では、胃 65.7%、大腸(直腸・結腸)69.1%、肝及び肝内胆管 36.8%、肺
40.1%、女性乳房 87.9%、子宮 70.0%、前立腺 94.2%でした。ICSS を用いた年齢調整によって大きな差異
があることがわかりました。
小児(15 歳未満)では、全分類の 5 年純生存率が 82.3%であり、胚細胞性腫瘍、絨毛性腫瘍、性腺腫
瘍が 94.5%、網膜芽腫が 94.6%と高い値を示す一方、中枢神経系、その他頭蓋内、脊髄腫瘍は 57.1%
と低く、分類によって大きな差がみられました。




高生存率群(70 から 100%):前立腺、皮膚、甲状腺、乳房、喉頭
中生存率群(30 から 69%):大腸、腎・尿路(膀胱除く)、膀胱、胃、悪性リンパ腫、口腔・咽頭、多発性
骨髄腫、食道、白血病、肝および肝内胆管、肺
低生存率群(0 から 29%):脳・中枢神経系、胆のう・胆管、膵臓




高生存率群(70 から 100%):甲状腺、皮膚、乳房、子宮、喉頭
中生存率群(30 から 69%):悪性リンパ腫、大腸、口腔・咽頭、胃、腎・尿路(膀胱除く)、膀胱、肺、食道、
多発性骨髄腫、白血病、脳・中枢神経系、肝および肝内胆管
低生存率群(0 から 29%):胆のう・胆管、膵臓


純生存率曲線
診断から 1 年目の純生存率は、肝および肝内胆管で男 65.9%、女 62.8%、胆のう・胆管で男 55.0%、

女 45.4%、膵臓で男 39.0%、女 35.7%で下降が大きかったが、2 年目以降の下降は小さかった。多くの
部位では、5 年を通して男の方が、女より生存率が高く、逆に女の方で明らかに生存率が高い部位は、
口腔・咽頭、食道、肺、脳・中枢神経系、甲状腺、悪性リンパ腫でした。


臨床進行度別 5 年純生存率
限局で診断されたがんでは、胃 92.4%、大腸(直腸・結腸)92.3%、肝および肝内胆管 49.7%、肺

77.8%、女性乳房 98.4%、子宮 94.2%、前立腺では 105.6%注 2 となっていました。一方、遠隔転移まで進
行すると、胃 6.3%、大腸(直腸・結腸)16.8%、肝および肝内胆管 3.1%、肺 8.2%、女性乳房 38.5%、子
宮 21.0%、前立腺では 52.0%となっていました。
注2)

前立腺や甲状腺(乳頭・濾胞癌)等の生存率の高いがん種では、一般の集団よりも健康に
留意し医療機関を受診すること等の理由から、生存率が 100%以上になることがあります。



年齢階級別 5 年純生存率
多くの部位で年齢階級を追うごとに生存率は低くなっていましたが、前立腺では若年の方が生存率が

低く、皮膚がんでは全年齢階級でほぼ生存率に変化がありませんでした。年齢階級による生存率の差
は、多くの部位で、男に比べて女の方が大きいことがわかりました。
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