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ピロリ菌除菌者での初発胃がんリスク診断に成功 胃の細胞に溜まったエピゲノム異常で正確にリスク判定できることを確認 実用化に向け検討を開始 (5 ページ)
出典
公開元URL | https://www.ncc.go.jp/jp/information/researchtopics/2025/0416/20250416.pdf |
出典情報 | ピロリ菌除菌者での初発胃がんリスク診断に成功(4/16)《国立がん研究センター、星薬科大学》 |
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図 4 メチル化レベルの上昇と胃がんリスクの関係
RIMS1 のメチル化レベルの上昇に従い、一年間に胃がんが発生する人の人数を計算した。実線は計算
値で、点線が 95%信頼区間。胃がんリスクマーカーRIMS1 のメチル化レベルが 25.7%を超えると急激
にリスクが高くなる。詳細には、1,000 人が内視鏡検査を受けると 1 人が胃がんという頻度が、急激に高
くなる。
【今後の展望】
本研究により、ピロリ菌除菌後の健康人において、発がん前の胃粘膜組織における DNA メチル化レ
ベルを測定することで初発胃がんのリスクを予測できることが、世界で初めて前向き研究により証明され
ました。また、超高リスク集団を同定するためのメチル化レベルを決定することにも成功しました。
これらの研究成果より、以下のことが、直接的、間接的に期待されます。
胃がん超高リスクな人に関しては、検査間隔を短くすることで胃がんの早期発見および内視鏡的治
療が効率的に可能となり、患者さんの QOL 向上が期待されます。
今後、胃発がんリスクの低い(胃粘膜萎縮がない、または、閉鎖型胃粘膜萎縮を有する)健康人も
対象に含む研究により、検診不要な低リスク集団の同定が可能となる可能性があります。このこと
により、多くの方の心配が軽減され、検診費用も削減されると期待されます(図 5)。
日本以外のピロリ菌による胃がんが多い外国(特に東アジア)でも、DNA メチル化リスク診断による
個別化医療が実現できると期待されます。
胃以外でも、慢性炎症によりがんが発生する臓器(子宮、肝臓など)でも、DNA メチル化リスク診断
により発がんリスクを予測できると考えられます。外国では、子宮頸がんについて実用化されつつ
あります。
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RIMS1 のメチル化レベルの上昇に従い、一年間に胃がんが発生する人の人数を計算した。実線は計算
値で、点線が 95%信頼区間。胃がんリスクマーカーRIMS1 のメチル化レベルが 25.7%を超えると急激
にリスクが高くなる。詳細には、1,000 人が内視鏡検査を受けると 1 人が胃がんという頻度が、急激に高
くなる。
【今後の展望】
本研究により、ピロリ菌除菌後の健康人において、発がん前の胃粘膜組織における DNA メチル化レ
ベルを測定することで初発胃がんのリスクを予測できることが、世界で初めて前向き研究により証明され
ました。また、超高リスク集団を同定するためのメチル化レベルを決定することにも成功しました。
これらの研究成果より、以下のことが、直接的、間接的に期待されます。
胃がん超高リスクな人に関しては、検査間隔を短くすることで胃がんの早期発見および内視鏡的治
療が効率的に可能となり、患者さんの QOL 向上が期待されます。
今後、胃発がんリスクの低い(胃粘膜萎縮がない、または、閉鎖型胃粘膜萎縮を有する)健康人も
対象に含む研究により、検診不要な低リスク集団の同定が可能となる可能性があります。このこと
により、多くの方の心配が軽減され、検診費用も削減されると期待されます(図 5)。
日本以外のピロリ菌による胃がんが多い外国(特に東アジア)でも、DNA メチル化リスク診断による
個別化医療が実現できると期待されます。
胃以外でも、慢性炎症によりがんが発生する臓器(子宮、肝臓など)でも、DNA メチル化リスク診断
により発がんリスクを予測できると考えられます。外国では、子宮頸がんについて実用化されつつ
あります。
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