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ピロリ菌除菌者での初発胃がんリスク診断に成功 胃の細胞に溜まったエピゲノム異常で正確にリスク判定できることを確認 実用化に向け検討を開始 (2 ページ)

公開元URL https://www.ncc.go.jp/jp/information/researchtopics/2025/0416/20250416.pdf
出典情報 ピロリ菌除菌者での初発胃がんリスク診断に成功(4/16)《国立がん研究センター、星薬科大学》
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1,000 万人を超える多くの人々が除菌治療を受けています(図 1)。除菌後も年率 0.5-1.2%程度胃がん
が発生するため、2 年に 1 回の胃がん検診が推奨されていますが、画一的な検診は患者さんにとっても
医療経済にとっても負担が大きく、個人のリスクに応じた検診を行う必要があります。

図 1 ピロリ菌除菌治療を受けた人の人数
2013 年のピロリ菌除菌の保険適用以来、これまでに 1,000 万人を超える人がピロリ菌除菌を受けたと
計算される。
発がん前の組織にも DNA メチル化異常が存在し、発がんリスクと関係している
がんは突然変異や DNA メチル化異常*1 など、細胞が分裂しても消えない遺伝子の異常により、がん
遺伝子が異常に働くことや、がん抑制遺伝子が働かなくなることで発生します。これらの異常は、病原菌
や発がん物質などへの曝露により様々な遺伝子に誘発され、がんが発生する前の正常組織に徐々に
蓄積しています。
がんが発生する前の組織では、突然変異の蓄積はとても少なくて測定が困難でした。一方、DNA メ
チル化異常は胃や大腸などに多く蓄積*2 している場合があり、その測定が容易でした。そこで、古くから、
がんが発生する前の胃粘膜組織に蓄積した DNA メチル化異常の量と胃発がんリスクが相関することが
横断的研究により示されてきました。しかし、この知見を臨床で使用する根拠となる高い信頼性をもつ、
大規模な前向き研究による証明がありませんでした。
【研究内容】
発がん前の組織の DNA メチル化異常の測定により、初発胃がんリスクを予測
DNA メチル化異常の測定により、健康人で初発胃がんリスクを予測できることを証明するために、ピ
ロリ菌除菌後健康人を対象として多施設共同前向き研究を行いました(UMIN-CTR000016894 に登録)。
今回の研究では、ピロリ菌除菌後でも臨床的に胃がん高リスクと考えられ、新たな対策が必要とされる

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