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ピロリ菌除菌者での初発胃がんリスク診断に成功 胃の細胞に溜まったエピゲノム異常で正確にリスク判定できることを確認 実用化に向け検討を開始 (1 ページ)

公開元URL https://www.ncc.go.jp/jp/information/researchtopics/2025/0416/20250416.pdf
出典情報 ピロリ菌除菌者での初発胃がんリスク診断に成功(4/16)《国立がん研究センター、星薬科大学》
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報道関係各位

ピロリ菌除菌者での初発胃がんリスク診断に成功
胃の細胞に溜まったエピゲノム異常で正確にリスク判定できることを確認
実用化に向け検討を開始
2025 年 4 月 16 日
星薬科大学
国立研究開発法人国立がん研究センター
【発表のポイント】


胃がんの原因であるヘリコバクター・ピロリ菌(ピロリ菌)の除菌治療を受ける人は、2013 年の保険
適用以来急増しています。除菌後の人には、現在、対策型検診として 2 年に 1 回の胃がん検診が
推奨されています。しかし、画一的な検診は胃がんを早期で発見する機会を逃したり、逆に過剰な
検診負担が生じたりします。そのため、個人のリスクに応じた検診の開発が求められています。



がんの原因となる DNA メチル化異常は発がん前の組織にも蓄積しており、健康人でもその蓄積量
と胃がんリスクが相関することは、これまでに横断的研究により示されていました。しかし、実際に
診療で使える高い信頼性をもつ大規模な前向き研究による証明はありませんでした。



今回、ピロリ菌除菌後開放型胃粘膜萎縮をもつ高リスクな健康人を対象とした前向き研究で、発が
ん前の胃粘膜における胃がんリスクマーカーの DNA メチル化レベルを測定することで、初発胃が
んリスクを精密に予測できることが証明されました。また、高リスクな人の中でも特にリスクの高い
超高リスクな人を特定することに成功しました。



今回の研究で特定された超高リスクな人に対しては、検査間隔を短くすることで胃がんを早期発見
し、内視鏡的治療で治癒する患者さんが増えれば、患者さんの QOL が向上する可能性が期待さ
れます。将来的には、この DNA メチル化異常を用いて、検診が不要な低リスク集団を特定できる
可能性もあります。

【概要】
星薬科大学(牛島俊和 学長)、国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院(阿部清一郎 内
視鏡科医長ら)からなる研究チームは、ピロリ菌除菌後健康人において、発がん前の胃粘膜組織の
DNA メチル化異常を測定することにより、初発胃がんリスクを精密に予測できることを多施設共同前向
き研究により明らかにしました。
本研究の成果は、国際総合学術雑誌「Gut」に 4 月 16 日付で発表されました。
【背景】
ピロリ菌除菌により発がんリスクは低下するが、ゼロにはならない
ヘリコバクター・ピロリ菌(ピロリ菌)は胃がんの原因として重要であり、その除菌により胃がんリスク
が低下することが知られています。日本では 2013 年からピロリ菌除菌が保険適用になり、これまでに
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