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参考資料1 これまで御議論いただいた論点等について (15 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_56641.html
出典情報 妊娠・出産・産後における妊産婦等の支援策等に関する検討会(第9回 4/16)《厚生労働省》
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第8回の議論のまとめ(6)
◆出産に係る妊婦の経済的負担の軽減等について

<産科診療所の特別調査について>


ボリュームゾーンとして大きい中都市について、経常利益率が2%から3%に改善している。給与比率などは大きく変わっていないし、病床の
届出の規模、スケールも、分娩数も変わらず、帝王切開の割合もあまり変わっていない中において、この数字が改善しているというのは、今後
この分野の経営改善においてヒントになるのではないか。どのように解釈すればよいか。



(回答)今後分析していく必要があるが、給与比率が多少だが上がっていること、人件費がこれからも上がっていくことを考えると、中都市に
おいても今後厳しくなる可能性はあると思う。小都市の分娩数が激減しているのに対し、中都市はそれほど下がっていない点も、なんとか経
営できている理由ではないか。

<諸外国との比較について>


正常分娩に係る入院日数がイギリス等では1日、長くても3日程度であるのに比べ、日本では5.3日と長いことの要因は何が考えられるのか。



(回答)医療安全という観点からは、出産後48時間以内に色々なアクシデントが起こるので、海外では2日の入院期間となっている。日本では、
その後の母乳や育児、アフターケアまで含めた入院期間となっている。



(回答)アメリカでは妊婦健診中に小児科医との連携があり、出産を経て、産後は担当小児科医が中心となって受けていく仕組みとなっている。



(回答)日本の新生児死亡が世界一低い大きな理由は、医療機関・助産所の中で、5日間や6日間、赤ちゃんの経過観察ができること。また、母
子の愛着形成の観点からも、2日で退院させた後に必ずしも家族で支えられないこともあり、産後ケアなどが充実していない中では、2日間
の入院期間というのは早すぎるのではないか。



(回答)見逃せば脳性麻痺につながる新生児黄疸というアジア人種に特有の現象があり、日本人のピークは生後5日から7日くらい。欧米人種
はほとんど黄疸が出ない。



(回答)日本でも以前はお母さんの入院期間も7日あったが、短くなって、赤ちゃんを残してお母さんが先に退院する、母子分離の例も出てき
た。これがさらに進むと親子関係の確立に問題が生じ、虐待に通ずる可能性が出てくるのではないか。



(回答)医療機関で新生児のマススクリーニングを生後5日目くらいにやっており、そのためにまた来ていただくのが大変、という点もある。



諸外国に比べて日本が圧倒的に長いのは事実であり、なぜ日本だけ違うのか、なぜ世界は短いのか、もう少し検証する必要がある。



文化的背景、体力や体格差、産後ケアなどの支援策の充実度合いなど、入院日数で一概に比べるのは難しいと考えている。



各国で基本的な医療保険制度が異なり、妊娠・出産、産後という一連の流れができあがった何十年もの歴史がある中で、背景が異なっている。



イギリスでは退院したらすぐに助産師が訪問してくれ、韓国では産後ケア入院が発達している。日本ではその辺りの体制が整っていないため、
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入院日数が長いことだけをもって一足飛びに短くできるという話にしてはならず、産後の体制を整えてからでなければならない。