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切れ目のないポリファーマシー対策を提供するための薬物療法情報提供書作成ガイド (38 ページ)
出典
公開元URL | https://www.ncgg.go.jp/hospital/kenshu/news/20250331.html |
出典情報 | 切れ目のないポリファーマシー対策を提供するための薬物療法情報提供書作成ガイド(3/31)《国立長寿医療研究センター》 |
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切れ目のないポリファーマシー対策を提供するための
薬物療法情報提供書作成ガイド
8
3
療養環境移行時の注意点
療養環境の移行は、高度急性期から慢性期まで、それぞれの病棟で異なる課題に直面して
おり、適切な情報共有と連携が重要である。そのために薬物療法情報提供書の活用が欠かせ
ない。しかし、各場面における問題点は状況によって異なるため、それぞれに応じた対応が
求められる。特に、すべての情報が揃わないことも多いため、情報を正確かつ簡潔に引き継
ぐことが大切である。
高度急性期病棟や急性期病棟では、入院期間が短く、患者の病態が急速に変化するため、
迅速な対応が求められる。患者の既往歴や常用薬、急性期での薬剤変更の意図が特に重要で
あり、これらの情報が記録されない場合、次の療養環境で治療の一貫性が損なわれる可能性
がある。例えば、手術後に一時的に中止した抗凝固薬などの再開時期について、明確な指示
がないと、再開されないリスクが生じることもある。
一方、回復期や慢性期の病棟では、入院期間が長期化し、治療の安定化や患者の日常生活
活動(ADL)の回復を支えるための薬物療法の調整が中心となる。また、処方変更や薬剤再
評価の機会が増えるため、リハビリテーションの進行状況やポリファーマシー対策の進捗
も含めた情報共有が欠かせない。例えば、リハビリに伴う転倒リスクを低減するため、睡眠
薬や向精神薬の適正使用について記載することが有効である。
このように急性期では、時間的な制約から必要最小限の情報を迅速に記録・共有すること
が求められる。一方で、回復期や慢性期では、患者の回復や退院後の生活に向けた、より包
括的で詳細な情報提供が重要である。この違いを意識し、それぞれの療養環境に応じた記録
と情報共有を行うことが、移行の円滑化に繋がる。そのため、療養環境の特性を踏まえた薬
物療法情報提供書の活用が必要であり、処方内容や有害事象に関する情報を簡潔かつ正確
に記載し、多職種間で共有する仕組みを整備することが求められる。
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薬物療法情報提供書作成ガイド
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療養環境移行時の注意点
療養環境の移行は、高度急性期から慢性期まで、それぞれの病棟で異なる課題に直面して
おり、適切な情報共有と連携が重要である。そのために薬物療法情報提供書の活用が欠かせ
ない。しかし、各場面における問題点は状況によって異なるため、それぞれに応じた対応が
求められる。特に、すべての情報が揃わないことも多いため、情報を正確かつ簡潔に引き継
ぐことが大切である。
高度急性期病棟や急性期病棟では、入院期間が短く、患者の病態が急速に変化するため、
迅速な対応が求められる。患者の既往歴や常用薬、急性期での薬剤変更の意図が特に重要で
あり、これらの情報が記録されない場合、次の療養環境で治療の一貫性が損なわれる可能性
がある。例えば、手術後に一時的に中止した抗凝固薬などの再開時期について、明確な指示
がないと、再開されないリスクが生じることもある。
一方、回復期や慢性期の病棟では、入院期間が長期化し、治療の安定化や患者の日常生活
活動(ADL)の回復を支えるための薬物療法の調整が中心となる。また、処方変更や薬剤再
評価の機会が増えるため、リハビリテーションの進行状況やポリファーマシー対策の進捗
も含めた情報共有が欠かせない。例えば、リハビリに伴う転倒リスクを低減するため、睡眠
薬や向精神薬の適正使用について記載することが有効である。
このように急性期では、時間的な制約から必要最小限の情報を迅速に記録・共有すること
が求められる。一方で、回復期や慢性期では、患者の回復や退院後の生活に向けた、より包
括的で詳細な情報提供が重要である。この違いを意識し、それぞれの療養環境に応じた記録
と情報共有を行うことが、移行の円滑化に繋がる。そのため、療養環境の特性を踏まえた薬
物療法情報提供書の活用が必要であり、処方内容や有害事象に関する情報を簡潔かつ正確
に記載し、多職種間で共有する仕組みを整備することが求められる。
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