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医療機器感染症定期報告感染症別文献一覧表 (5 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190382_00012.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 医療機器・再生医療等製品安全対策部会(令和4年度第2回 3/16)《厚生労働省》
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ID

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感染症(PT)

インフルエンザ

ウシ結核

出典

概要

Virology Journal. 19
(2022)63

2021年に台湾で初めて、発熱、鼻水、咳を訴える5歳女児からインフルエンザA
(H1N2)vのウイルスが分離された。分離されたウイルスはA/Taiwan/1/2021(H1N2)v
と命名された。全ゲノム配列決定と系統解析の結果、A/Taiwan/1/2021(H1N2)vは、
台湾で数十年前から流行していた可能性のあるブタインフルエンザA(H1N2)ウイル
ス由来のヘマグルチニン(HA)およびノイラミニダーゼ(NA)遺伝子セグメントを含む新
規再遊離型ウイルスであることが判明した。本症例が養豚場でブタと直接接触したと
いう証拠がないため、感染源は不明であるが、ブタからヒトへの感染経路の可能性が
示唆された。

ProMED-mail
20220309.8701888

報告日:2022年3月5日 情報源:Journal da USP https:
//jornal.usp.br/ciencias/pesquisa-mostra-urgencia-no-controle-da-tuberculosebovina-entre-animais-silvestres/
ブラジルには、野生動物のウシ結核を管理するための特定の法律はない。しかし、少
数のこれらの動物は病気にかかりやすく、絶滅危惧種の野生種への脅威であること
に加えて、病気を保有する潜在的な保菌体になる可能性がある。2017年まででUSP
の生物医学研究所(ICB)と他の3つの機関による調査で、リオグランデのグラバタイ
市にあるパンパスサファリテーマパークで野生動物のウシ結核の発生について理解
が広まるところとなった。動物園、公園、自然界における当該疾病管理の必要性を周
知、警告するきっかけとなった。ブラジル農業研究公社(Embrapa)、リオグランデドス
ル農業・畜産・農村開発長官(SEAPDR)、USPの獣医学・動物科学部(FMVZ)と共同
で開発されたこの研究は、当該疾病はウシから少なくとも16種類の動物、主にダマジ
カ、アカシカなどへ伝染していた。病気の原因となる細菌の3つの遺伝的変異体が確
認された。これらの調査はJournal Transboundary and Emerging Diseasesに掲載され
た。本調査は動物園などのように完全に密閉されていない環境での疾病の蔓延を示
した最初の研究であった。野生動物のウシ結核に対する特定の診断テストがないた
め、感染した動物における亜種の比率は高いといえる。ウシの結核は、家畜や野生
動物、そしてヒトに影響を与える感染症である。ヒトへの感染は、主にほとんどの場
合、生の低温殺菌されていない牛乳の摂取によるものと考えられている。または罹患
した動物との接触によるエアロゾルの吸入によっても生じる。動物の場合、治療方法
やワクチンはなく、診断後に当該種の屠殺を行うことで発生の拡大を防ぎ、封じ込め
るための対策のみ実施されている状況である。慢性経過をたどる本疾病は、衛生的
な障壁に加えて、肉牛や乳牛に対する経済的損失をもたらす。研究者はまとめとし
て、野生動物を対象とした症例の通知の義務付け、明確な診断基準が確立を含む疾
病管理プログラムが不可欠である、としている。これらの対策がなければ、野生動物
を介してブラジルで人畜共通感染症が蔓延するリスクが懸念されると考察している。

本文献は、ハイチの小児3例において確認されたブタデルタコロナウイルスの感染に
ついて調査されたものである。ゲノム解析と進化解析により、ヒトへの感染は、Nsp15
とスパイク糖タンパク質をコードする遺伝子に同じ変異を獲得した、異なるウイルス系
コロナウイルス Nature. 600(2021)133統の少なくとも2つの独立した人獣共通感染症の結果であることが判明した。今回の
感染
137
発見は、特にヒトと動物が密接に接触する環境において、これまで認識されていた人
関連コロナウイルス群以外のコロナウイルスによるヒトへの感染につながる進化的変
化と適応の可能性を浮き彫りにするものであった。
ブタの心臓を移植した男性に動物ウイルスの痕跡が発見された。遺伝子操作したブタ
の心臓を移植し、2ケ月間生存したメリーランド州の57才の男性に、動物に感染する
ウイルスの兆候が見られたと、この世界初の処置を行った外科医が発表した。この発
表は、動物からヒトへの移植に対する最も緊急な反対意見の一つである、改造された
動物の臓器が広く使われることにより、ヒトに新しい病原体が持ち込まれることを促進
する可能性があることを補強するものである。メリーランド大学医学部の移植外科医
であるBartley Griffith博士は、米国移植学会での発表の中で、この患者のウイルス
DNAの存在は、彼が2022年3月8日に突然悪化して死亡した原因となった感染症を示
唆している可能性があると述べた。Griffith博士のコメントは、MIT Technology Review
が、最初に報じたものである。このブタの臓器は、人間の免疫システムによる拒絶反
サイトメガロウイ ProMED-mail
応を起こさないように遺伝子操作されたものであり、この心臓は、バージニア州ブラッ
ルス感染
20220506.8703070
クスバーグに本社を置く再生医療企業、リバイサー社から患者に提供されたものであ
る。2022年5月5日木曜日、同社の関係者はコメントを控えた。大学当局によると、この
動物は、ブタサイトメガロウイルスと呼ばれるウイルスのスクリーニングを受けたとい
う。しかし、この検査は活動中の感染のみを検出するもので、ウイルスがブタの体内
に潜んでいる可能性のある潜伏感染は検出できない。移植は当初成功したと見なさ
れた。ブタの心臓は、1ヶ月以上機能し続け、移植患者にとって重要なマイルストーン
(節目)になった。この心臓移植は、ここ数ヶ月の画期的な移植の一つであり、人間の
臓器が不足している中で、新しい腎臓、心臓、肺を必要としている何万人もの患者に
希望を与えるものであった。しかし、予期せぬ結果、特に動物の病気が人間の集団に
持ち込まれる可能性を考えると、遺伝子操作による臓器使用に対する熱意は冷める
かもしれない。

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