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資料2-2 重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬物性口内炎(案) (11 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209243_00004.html
出典情報 重篤副作用総合対策検討会(第14回 9/15)《厚生労働省》
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口腔では粘膜の広範な壊死性変化が特徴であり、皮膚では表皮細胞の全層に
わたる壊死と表皮-真皮間の裂隙(表皮下水疱)形成がみられる。水疱辺縁部では
表皮細胞の個細胞壊死と、好酸性壊死に陥った上皮細胞にリンパ球が接着して認
6)

められるsatellite cell necrosisが認められる 。
皮膚に見られる場合は、重篤副作用疾患別対応マニュアル「スティーブンス・ジョ
ンソン症候群」を参照のこと。
(6)発症機序
医薬品により生じた免疫・アレルギー反応により発症すると考えられているが、
感染症の関与など種々の説が唱えられており、いまだ統一された見解はない。
病変部では著明なCD8 陽性T細胞(細胞傷害性Tリンパ球)の表皮への浸潤が
みられることから、発症は活性化されたCD8 陽性T細胞の表皮細胞攻撃の結果と
考えられるが、その機序としては、直接的に表皮細胞のアポトーシスを誘導する、
もしくはこの細胞から産生されるIFN-γ
やマクロファージから産生されるTNF-αが細
胞傷害を引き起こすと想定されている。また、細胞死を誘導する受容体であるFas
とFas に対するリガンドであるFas ligand (FasL)の異常発現を認め、分子の相互作
用によって表皮細胞のアポトーシスが生じるとの考え方もある。すなわち、原因薬
剤の刺激により産生される末梢血単核球由来の可溶性FasL (sFasL)が表皮細胞
のFasに結合しアポトーシスを誘導することにより薬物性口内炎を発症させると推
7)

測されている 。
(7)医薬品別の特徴
現時点では原因医薬品それぞれの特徴についての知見は得られていない。

3.副作用の判別基準(判別方法)
(1)概念
高熱と粘膜疹を伴った広範囲な紅斑と水疱、びらんなどの顕著な粘膜と皮膚の
損傷を認める。
(2)主要所見(必須)
①口腔粘膜の発赤、びらん。
②発熱
(3)副所見
①皮疹は広範囲のびまん性紅斑および斑状紅斑である。
②粘膜疹を伴う。眼表面上皮(角膜と結膜)では、びらんと偽膜のどちらか、あ
るいは両方を伴う。
③病理組織学的に、顕著な表皮の壊死を認める。
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