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第510回総会資料 (5 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00133.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 総会(第510回 1/14)《厚生労働省》
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本剤の特徴、作用機序
オプジーボ点滴静注 20 mg、同点滴静注 100 mg、同点滴静注 120 mg 及び同点滴静注 240 mg

(一般名:ニボルマブ(遺伝子組換え)、以下、「本剤」という。)は、小野薬品工業株式会
社とメダレックス社(現ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)社)が開発したヒト PD1(Programmed cell death-1)に対するヒト型 IgG4 モノクローナル抗体である。
PD-1 は、活性化したリンパ球(T 細胞、B 細胞及びナチュラルキラーT 細胞)及び骨髄系
細胞に発現する CD28 ファミリー(T 細胞の活性化を補助的に正と負に制御する分子群)に
属する受容体である。PD-1 は抗原提示細胞に発現する PD-1 リガンド(PD-L1 及び PD-L2)
と結合し、リンパ球に抑制性シグナルを伝達してリンパ球の活性化状態を負に調節している。
PD-1 リガンドは抗原提示細胞以外にヒトの様々な腫瘍組織に発現しており、悪性黒色腫患者
から切除した腫瘍組織における PD-L1 の発現と術後の生存期間との間に負の相関関係がある
ことが報告されている(Cancer 2010; 116: 1757-66)。また、悪性黒色腫患者では組織浸潤 T
細胞が産生するインターフェロンガンマ(IFN-γ)によって PD-L1 の発現が誘導され、転移し
た腫瘍組織における PD-L1 の発現と術後の生存期間との間に正の相関関係があるとの報告も
ある(Sci Transl Med 2012; 28: 127-37)。さらに、PD-L1 を強制発現させたがん細胞は、抗原
特異的 CD8 陽性 T 細胞の細胞傷害活性を減弱させるが、抗 PD-L1 抗体で PD-1 と PD-L1 と
の結合を阻害するとその細胞傷害活性が回復することが示されている、等のことから PD1/PD-1 リガンド経路は、がん細胞が抗原特異的な T 細胞からの攻撃等を回避する機序の一つ
として考えられている。
本剤は、薬理試験の結果から PD-1 の細胞外領域(PD-1 リガンド結合領域)に結合し、PD1 と PD-1 リガンドとの結合を阻害することにより、がん抗原特異的な T 細胞の活性化及びが
ん細胞に対する細胞傷害活性を増強することで持続的な抗腫瘍効果を示すことが確認されて
いる。
これらの知見から、本剤は悪性腫瘍に対する新たな治療薬になり得るものと期待され、原
発不明癌患者を対象とした臨床試験を実施し、有効性、安全性及び忍容性が確認された。

本剤の作用機序に基づく過度の免疫反応による副作用等があらわれ、重篤又は死亡に至る
可能性がある。本剤の投与中及び投与後には、患者の観察を十分に行い、異常が認められた
場合には、発現した事象に応じた専門的な知識と経験を持つ医師と連携して適切な鑑別診断
を行い、過度の免疫反応による副作用が疑われる場合には、副腎皮質ホルモン剤の投与等の
適切な処置を行う必要がある。

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