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和田委員提出資料 (3 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67187.html
出典情報 社会保障審議会 介護保険部会(第131回 12/15)《厚生労働省》
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の幸せを願うように、誰かひとりにかかる負担や犠牲を強いれば、家族関係が破綻し、家族みんなが幸
せに生きられなくなります。
また、認知症は誰にでも起こりうることであり、支え合う関係の中で、家族の中の誰かが認知症をも
つことも、支えている家族が認知症をもつこともあります。そのため、認知症の人も、家族も、みんなが
幸せでいられるように、認知症基本法が施行されたことを契機に、認知症の人たちの希望宣言に歩調を
合わせて、認知症の人とともにある家族の権利宣言をすることが必要だと考えました。
ここに挙げている権利は、日本国憲法の下にある人権が基本にあります。家族は、認知症の人ととも
にいる身近な人、伴走者、パートナーとして必要な場面で認知症の人の思いの代弁を求められます。し
かし、多くの家族は認知症に直面することが「初めて」であり、どのように対応していけばよいのかわ
かりません。また、経験があっても、認知症の症状は一人ひとり異なり、認知症とともにあることは難し
いことです。それゆえ、権利を宣言することを通して、家族が個人としての尊厳を保ち、認知症の人とと
もに安心して生きていけるよう、社会からの必要な支援が求められています。
私たちは、認知症基本法のうたう共生社会を実現していくために認知症の人とともにある家族の思い
にも寄り添っていくこと、家族支援を充実していくことが、認知症の人の生活を豊かにしていくことであ
ることを社会の共通理解として持っていただけるよう願い、ここに宣言をしたいと思います。
注 認知症の人とその家族とは

注1 認知症の当事者とは
私たちは認知症の人とその家族であると考えます。
注2 認知症の人とは
ここでは、認知症の人を認知機能の状態や診断の有無を問わず、認知機能の低下状態に悩む人とし
て考えていきます。認知症の人とは本来、認知症と診断された人のことです。しかし、近年の疾患修
飾薬の登場によって前認知症状態や軽度認知障害の診断を受ける人がおり、これらの人は本来の認知
症の人ではありませんが、認知機能の低下に悩み、不安を持つ人であると言えます。
認知症とは様々な疾患の症候群であり、その症状、進行などは疾患の特徴によってさまざまである
と同時に、個人によっても症状や進行は一様ではなく、ひとくくりにできないところから、誰もが認
知症を前に悩みます。
注3 家族とは
私たちは、家族とは、同居の如何にかかわらず、血縁・婚姻関係にある人、あるいは血縁・婚姻関
係になくても深い関係性を持ち、家族であると認識している人たちであると考えます。家族とは、2人
以上の人で構成する最も小さな社会組織です。民法上では「親族」とは「6親等内の血族、配偶者、3
親等内の姻族」(民法第725条)であり、「直系血族及び同居の親族は、互いに扶け合わなければなら
ない」(民法第730条)とありますが、家族の明確な定義はありません。血縁・婚姻関係にある者同士
は、その歴史、過去の関係性のあり方によってさまざまな影響を与え合います。扶け合いとは、扶養
や扶助など世話をする、支えるという意味合いで使われます。
実際にこの親族の扶け合いは、その状況も、そのことへの思いも、それぞれの関係によってさまざ
まです。つながる縁の中で断ち切り難い関係をもつのも家族です。
たす

たす

たす

たす

1.家族一人ひとりの尊厳と人権が尊重されること

*権利 ◆
◆必要な支援




家族も認知症の人とともに一人の人として尊厳が守られ、自分の人生をあきらめない権利があります。
それぞれの立場や気持ちが尊重され、大切にされる権利があります。

*介護をしていても、家族が一人の人として自分の人生を生きていく権利
支援を求めている当事者は認知症の人だけではなく、家族も支援を求める当事者です。認知症の人に
「何をどうすればいいかわからない」戸惑いの段階から、家族自身が「支援を求めてもいい」ことを認
識しましょう。介護をしても家族の生活や生命を守れなければ意味がありません。また、望む仕事を得
て、生活にゆとりがもてる、趣味や余暇を楽しめる、自分の人生をあきらめない権利があります。
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