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和田委員提出資料 (2 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67187.html
出典情報 社会保障審議会 介護保険部会(第131回 12/15)《厚生労働省》
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認知症の人とともにある家族の権利宣言【解説版】
認知症の人とともにある家族の権利宣言【解説版】
私たちは、
「認知症の人とともにある家族の権利宣言」を2025年6月総会において宣言しました。
権利宣言をした理由、背景には以下の思いがあります。皆さんには、ぜひ、このことをご理解いただき、認
知症の人への支援とともに、家族の支援への一層のご理解とご協力をお願いいたします。

認知症の人とともにあるということ
認知症の人とともにあるということ

▶誰もが認知症を前に悩む 認知症になる前から備えをすることの必要性
「認知症」は、その症状の特徴(記憶や見当識、判断という人間の尊厳を維持するための機能が障害さ
れやすいということ)、その進行の特性(症状が徐々に進行していくこと)によって、診断を受けた本人
も家族も、診断後から戸惑いや不安を持ちますが、中には戸惑いや不安が少ない人もいます。それは、
診断以前からの認知症に関する知識と理解があり認知症への備えができている人です。そして、たとえ
認知症への備えが足りなくても、診断早期(可能であれば診断前から)から認知症に対する正しい知識
を得て理解をしていくこと、診断後に認知症になったことを悲観しすぎないことが大切です。認知症に
上手に対応していくには、認知症とともに生きている同士(認知症の人とその家族等)に早期に出会
い、その戸惑いや不安への効果的な対応方法を知ることや支え合うこと(ピアサポート)が効果的で
す。戸惑いや不安をともに乗り越えながら前向きに生きている人がたくさんいます。
しかし、これらの認知症への理解と対応をしていても、認知症の人は徐々に社会生活や人間関係に支
障をきたしやすくなり、そのことに悩み、周囲の人々や家族は認知症の人への適切な対応に悩みます。

▶認知症になってもできることを続ける ともに悩み考える支え合うことの必要性
最近は、認知症の診断を受けるタイミングが早くなっており、認知症の診断を受けた時点では多くの
認知症の人は身の回りのことを自分でできますし、少しの工夫と手助けがあれば仕事を続けることがで
きます。それにもかかわらず、「認知症の診断を受けると介護が必要になる」という誤った認識を持つ人
は少なくありません。
認知機能の低下の自覚は、日時や場所の混乱、段取り・手順を忘れることなどが多いですが、この段
階では「介護」ではなく「生活の工夫を一緒に考える支援・手助け」が必要です。排泄や移動、食事、
生活リズムの管理などの日常生活上の世話、いわゆる介護(療養上の世話)はすぐに必要になるわけで
はありません。ともに悩み考える支援が必要です。

▶認知症の人の希望の実現に向かい、認知症の人と家族とともにつくる未来
認知症の本人が主体となって多様な人たちとともに全国的な活動をしている一般社団法人日本認知症
本人ワーキンググループは、2018年に「認知症とともに生きる希望宣言」(参考資料)を発出しまし
た。これは、認知症基本法の制定の大きな力となりました。
この「希望宣言」は、様々な苦悩を抱えながらも、認知症とともに尊厳と希望をもって、一人ひとり
が生きていくための自分自身の「考え方・生き方」について宣言したものです。認知症とともに希望を
もって生きていく決意(覚悟)を宣言したものであり、ともによりよい社会をつくっていく「現在進行
形」の意識と姿を示したものです。
この希望宣言の発出そのものとその実現は、認知症の人だけでなく、認知症の人の家族にとって依り
代となるものだと考えます。認知症の人とともにある家族も、認知症があっても希望を持って暮らして
いこうという人、そしてより良い社会を一緒につくっていこうという人の輪を広げ、認知症の人と家族
が生きやすい社会を、ともにつくっていくことを願っています。

▶認知症の人の家族が認知症の人とともに生きていくための社会への宣言の必要性
このような認知症の人自身が生きやすい社会を作っていこうとするとき、ともに生き、暮らしていく
家族も、人生をあきらめず、希望をもって自分らしく暮らし続けていくことが必要です。家族がお互い
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