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総-1医薬品等の費用対効果評価案について (5 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_66930.html |
| 出典情報 | 中央社会保険医療協議会 総会(第634回 12/10)《厚生労働省》 |
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2-2. 製造販売業者から提示された論点
・ 再分析で実施された OS データの推定
専門組織Ⅰでは比較対照が一意に定まらず、フルベストラント+CDK4/6 阻害薬との比較が「基本
分析」となったが、エキセメスタン+エベロリムスとの比較も一定の妥当性が認められ、
「その他分
析」として実施することとされた。しかし、フルベストラント+CDK4/6 阻害薬(切り替え)の OS デ
ータは存在せず、
「基本分析」では適切な評価が不可能であることが判明した。一方、
「その他分析」
では、比較対照技術の OS データを用いたネットワークメタアナリシスによって分析が可能であり、
英国 NICE ではエキセメスタン+エベロリムスを比較対照とした分析結果が受け入れられている。専
門組織Ⅰでの「実臨床では選択肢は複数あり、実臨床の実態と分析可能性を踏まえて検討するべきで
はないか」という意見を踏まえれば、PFS から OS を推定するという、他の HTA 機関では否定されて
いる手法を強引に用いざるを得ない「基本分析」ではなく、標準的な方法に基づき実施した「その他
分析」を採用すべきと考える。
2-3. 専門組織の議論
以上を踏まえて、公的分析(基本分析)においては OS のハザード比を 1.0 に十分近い値であると
して 0.95 と設定しているが、専門組織は再度臨床の立場からの意見も踏まえて、下記のとおり、公
的分析に対して追加分析を求めることとした。
製造販売業者は、基本分析の他に、その他の分析による費用対効果評価を採用すべきと主張
しているが、治療効果の観点からは分析対象集団に対するエベロリムスの有効性は限定的であ
り、より有効性が高いと考えられており、臨床的に多く用いられる CDK4/6 阻害薬とトルカプ
の比較をすることが妥当と考えられる。
PFS から OS の点推定値を一意に推定をすることが困難であることについては、十分に理解
をしている。しかしながら具体的な OS のデータが得られないのであれば、ハザード比が 1 を
下回る可能性が高いという設定に基づき、現状での最善のデータを用いて分析することが妥
当と考えており、公的分析の結果を支持したい。ただし、分析結果の頑健性を検討するため
に、ICER が基準値を下回る OS ハザード比の値を算出するなど、感度分析や閾値分析の結果を
参照したい。
上記専門組織の決定について、公的分析より追加分析が実施された。専門組織では、以下のとおり
議論され、分析結果等については、公的分析による追加分析結果が妥当であると結論づけられた。
PFS で有効性が示されていれば、OS のハザード比が 1 を下回る可能性が高いという点につ
いて、本剤では臨床専門家の意見も踏まえると公的分析班による追加分析を採用としてよい
のではないか。
フルベストラント単剤と比較した際の CDK4/6 阻害薬併用療法の OS のハザード比について、
分析上の不確実性が大きい場合には、ICER を低めに算出する保守的な値として 1.0 を使用す
る選択肢もあり、その場合の ICER の区分は異なる。一方で、感度分析において、わずかでも
ハザード比が1を下回れば、ICER は同一区分に含まれるため、分析結果が頑健であることは
理解できる。
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・ 再分析で実施された OS データの推定
専門組織Ⅰでは比較対照が一意に定まらず、フルベストラント+CDK4/6 阻害薬との比較が「基本
分析」となったが、エキセメスタン+エベロリムスとの比較も一定の妥当性が認められ、
「その他分
析」として実施することとされた。しかし、フルベストラント+CDK4/6 阻害薬(切り替え)の OS デ
ータは存在せず、
「基本分析」では適切な評価が不可能であることが判明した。一方、
「その他分析」
では、比較対照技術の OS データを用いたネットワークメタアナリシスによって分析が可能であり、
英国 NICE ではエキセメスタン+エベロリムスを比較対照とした分析結果が受け入れられている。専
門組織Ⅰでの「実臨床では選択肢は複数あり、実臨床の実態と分析可能性を踏まえて検討するべきで
はないか」という意見を踏まえれば、PFS から OS を推定するという、他の HTA 機関では否定されて
いる手法を強引に用いざるを得ない「基本分析」ではなく、標準的な方法に基づき実施した「その他
分析」を採用すべきと考える。
2-3. 専門組織の議論
以上を踏まえて、公的分析(基本分析)においては OS のハザード比を 1.0 に十分近い値であると
して 0.95 と設定しているが、専門組織は再度臨床の立場からの意見も踏まえて、下記のとおり、公
的分析に対して追加分析を求めることとした。
製造販売業者は、基本分析の他に、その他の分析による費用対効果評価を採用すべきと主張
しているが、治療効果の観点からは分析対象集団に対するエベロリムスの有効性は限定的であ
り、より有効性が高いと考えられており、臨床的に多く用いられる CDK4/6 阻害薬とトルカプ
の比較をすることが妥当と考えられる。
PFS から OS の点推定値を一意に推定をすることが困難であることについては、十分に理解
をしている。しかしながら具体的な OS のデータが得られないのであれば、ハザード比が 1 を
下回る可能性が高いという設定に基づき、現状での最善のデータを用いて分析することが妥
当と考えており、公的分析の結果を支持したい。ただし、分析結果の頑健性を検討するため
に、ICER が基準値を下回る OS ハザード比の値を算出するなど、感度分析や閾値分析の結果を
参照したい。
上記専門組織の決定について、公的分析より追加分析が実施された。専門組織では、以下のとおり
議論され、分析結果等については、公的分析による追加分析結果が妥当であると結論づけられた。
PFS で有効性が示されていれば、OS のハザード比が 1 を下回る可能性が高いという点につ
いて、本剤では臨床専門家の意見も踏まえると公的分析班による追加分析を採用としてよい
のではないか。
フルベストラント単剤と比較した際の CDK4/6 阻害薬併用療法の OS のハザード比について、
分析上の不確実性が大きい場合には、ICER を低めに算出する保守的な値として 1.0 を使用す
る選択肢もあり、その場合の ICER の区分は異なる。一方で、感度分析において、わずかでも
ハザード比が1を下回れば、ICER は同一区分に含まれるため、分析結果が頑健であることは
理解できる。
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